
大台ケ原山は奈良県と三重県の県境に位置する山です。三重県の最高峰であり、標高は1695.1m。
東西に5kmに渡って座する複数の山岳の総称として「大台ケ原」と呼ばれることもあります。
山域全体が特別天然記念物に指定されているほか、生物圏保護区であるユネスコエコパークも登録、日本百名山・日本百景・日本の秘境100選にも選出されている、日本の貴重な自然資源だといえます。
古くから現在まで山岳信仰の山としても知られ、世界遺産熊野古道に続く。
この記事に書いてあること
大台ヶ原山について・概要
大台ケ原は吉野熊野国立公園にとして自然と景観の保護がされています。
大台ケ原といえば、屋久島に匹敵する年間降水量の多さで知られ、"秘境"と称されるほどの深い自然体系があります。
近年ではニホンジカの増加や人為的な要因が重なり環境破壊が進んでしまったことを受け、大々的な保護活動がされるようになりました。
山上は隆起準平原であり、日出ヶ岳・三津川落山・経ヶ峰が周辺を囲むようにピークがあります。
吉野川や熊野川・宮川などの源流であり、千石嵓 ・大蛇嵓 などの絶壁があります。
大台ケ原にある大杉谷は、日本三大渓谷の一つ。
日出ヶ岳山頂は大きな岩が散乱する険しい岩場で、修験道の参拝ルートとしても知られています。
登山の人気シーズンは?
大台ケ原は1年を通して様々な目的で多くの観光客が訪れます。
一般的な登山では春山が始まる3月初旬から、最盛期の6・7・8月の夏山。
そして紅葉が色づく9月から10月中旬までも人気のシーズンです。
夏は渓谷でのシャワークライミングなどアクティビティが目的の人たちも多く訪れます。
この山の魅力
大台ケ原の魅力は秘境と称されるほどの深く、豊かな原生林は幻想的な印象を受けるほどの美しさ。
長い年月をかけて樹木が生まれて死を迎え、また再生するという自然のサイクルを見ることができる感動もあります。
大台ケ原の貴重な動植物は、専門の研究家がこぞって訪れるほどの価値があり、写真家にもファンが多く存在します。
木々に覆われた大台ケ原山ですが、展望台など切り開かれた場所からの展望は素晴らしく、遠く富士山を見ることもできます。
大台ケ原周辺は夜間の星景も有名です。
立体感を感じるほど鮮明であり、星空を鑑賞するためのツアーも頻繁に開催されています。
登山のレベル
大台ケ原山は古くから修験道の聖地としても知られ、険しい印象がありますが、登山レベルは低く初級程度です。
昔は「魔の山」と呼ばれていましたが、観光地として開けたことで周辺の道路も整備され、現在ではトレッキングやハイキングといった軽い山歩きもできるほど山道も整備されています。
岩場や鎖場なども今だに残りますが、安全対策がされているので、危険度は高くありません。
ただし、日本でも随一降雨量の多い山なので、雨対策は必須になります。
主な登山ルート
大台ケ原には複数の人気登山ルートがあります。
観光スポットの多い山なので、自分が見たい場所を通るルートを探しましょう。
大台ケ原駐車場~日出ヶ岳ルート
大台ケ原駐車場をスタートし、日出ヶ岳へ直登します。
そこから正木嶺→千石ヶ原→大蛇嵓→ シオカラ谷へと進み、大台ケ原駐車場に戻ってゴールします。
標高差465m総距離7㎞、所要時間4時間になります。
大台ケ原駐車場~展望台ルート
大台ケ原駐車場をスタートし、七ツ池→開拓分岐点へと進み、展望台へ登ります。
逆峠から開拓分岐点まで戻り、ナゴヤ谷方面から下り大台ケ原駐車場に戻ってゴール。
標高差250m、総距離9.1㎞、所要時間5時間になります。
冬山登山はできる?
大台ケ原山は冬登山もできます。
近畿圏の山ですが、積雪量はそれなりにあり、ラッセルの必要がある時期もあります。
標高も高くない山ですが、防寒・冬登山の装備は一通り揃えてアタックすることをおすすめします。
雪山を歩くスノートレッキング・スノーウォークなどのイベントも多く開催されています。
氷爆など冬ならではの見どころも多くあります。
山小屋情報
大台ヶ原山には複数の山小屋・避難小屋があります。
- 粟谷小屋
- 場所:大台ケ原日出ヶ岳東、大杉谷林道
- 電話:090-1567-0010
- FAX:なし
- 営業期間:4月下旬~11月下旬まで
まとめ
大台ケ原山には「大台ケ原ビジターセンター」という自然と歴史の紹介を目的とした施設があり、飲食や売店、宿泊設備も整備されています。
登山に役立つ情報も提供してくれるので、大台ケ原山が初体験の方は利用してみましょう。