
男体山は栃木県日光市に位置する火山です。中禅寺湖にぽっかりと浮かんだようなその出で立ちは、他に類を見ない独特な景観を持ちます。
古くから山岳信仰の対象となり、山の全域が世界文化遺産である日光二荒山神社の境内の中にあります。
二荒山・黒髪山などの別称があり、2486mの標高があります。
日本百名山にも選定される美しい名山です。
この記事に書いてあること
男体山について・概要
日光を代表する山である男体山は、日光火山群の一つです。
活火山ではあるものの、最後に起きた噴火は7000年前とされています。
勝道上人によって開かれた山岳信仰の山で、明治時代までは女人禁制となっていました。
現在でも日の出を登拝する方が多くおられます。
山容は円錐形で裾野が長く伸び、山頂には直径約1㎞の火山口があります。
登山の人気シーズンは?
男体山は、4月下旬から10月中旬までです。
標高ごとに常用針葉樹と落葉広葉樹の林があり、高山植物も豊富です。
男体山は山岳信仰の山ですので、登山シーズン以外にも二荒山神社の催事によっても人の流れが変わります。
開山祭5/5、閉山祭は10/25で、特に夏場に行われる「男体山登拝講社大祭」には多くの人が訪れ賑わいます。
この山の魅力
男体山の魅力はなんといってもその絶景にあります。周囲25㎞も大きな中禅寺湖は非常に神秘的で日本百景にも選定されています。
また中禅寺湖の反対側は日光連山が連なり、壮大なスケール感を味わうことができるでしょう。
紅葉の時期には湖岸を埋め尽くさんばかりに色づき、この時期には多くの登山・観光客が押し寄せます。
現代的な造形物ではありますが、頂上にある剣のモニュメントが印象的です。
そして忘れてならないのは山麓にある「華厳の滝」の存在です。
日本三名瀑の一つであり、むしろ男体山よりも知名度が高いともいえ、登山のついでに立ち寄る人が多くいます。
登山のレベル
男体山は比較的山道・林道も整備されているのですが、2000m超えの高山であり、ルートも長くなるので中級者向けだといえます。
ただし、二荒山神社があることや、周辺が人気の観光地であるためにアクセスはかなり良いといえます。
それなりの装備を準備することができるのであれば、アプローチしやすい山でもあります。
主な登山ルート
男体山は登山口が少なく、そのためルートも限られてきます。
登山目的も頂上1点になるので、登頂に集中するルートプランになります。
中禅寺湖~男体山往復ルート
二荒山神社登山口をスタートし、男体山頂上を目指し、同じルートを辿って下山します。
三合目あたりに迂回する場所がありますが、ほぼ一直線に頂上を目指します。
標高差1282m、総距離8.8㎞、所要時間5時間半になります。
中禅寺湖~男体山周回ルート
二荒山神社登山口をスタートし男体山を目指し、志津峠に抜けて山越えをするルートです。
志津峠は山道が少し荒れているので注意が必要です。
標高差1343m(登り)総距離15.6㎞諸湯時間7時間になります。
冬山登山はできる?
男体山は山岳信仰の場であり、山自体が御神体となります。
ですので、ルールとして二荒山神社が行う5月の開山祭から10月中旬の閉山祭以外の時期の登山は避けましょう。
ただし、5月中旬まで残雪期の年もあるので、雪山を楽しむことは可能です。
寒さが強く残る年では雪と新緑を同時に見ることができることもあります。
山小屋情報
男体山には避難小屋もあります。
ただし、男体山にある避難小屋全般に水場がないので注意しておきましょう。
- 唐沢避難小屋
- 場所:女峰山南方
- 電話:0288-53-3795
- FAX:0288-54-2425
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
男体山はそこかしこに山岳信仰の名残がみられ、神秘的で神々しい雰囲気が魅力です。
信仰の対象として保護されている山なので、マナーをしっかりと守る心がけが大切です。