
薬師岳は富山県の位置する山です。北アルプスの主要峰であり、標高は2926mをほこります。
北アルプスに属する山岳の中でも、とくに山体の大きさが特徴的で、丸みを帯びたようななだらかなフォルムをしています。
日本には各地に"薬師岳"という山岳が存在しますが、その中でも最も標高が高いのが富山県の薬師岳です。
山域は中部山岳国立公園に含まれ、日本百名山・花の百名山に選定されています。
山岳信仰が盛んだった山でもあり、薬師如来を祀った祠があります。
この記事に書いてあること
薬師岳について・概要
薬師岳は山頂部分に、氷河で侵食れて山の片側斜面だけがえぐられたような形状(カール)が三ヶ所あり、その部分が特別展年記念物として指定されています。
このカールのある付近には、数メートルもあろうかという岩塊が重なり合うように置かれています。
この岩塊の内部に氷が残る岩塊氷河が数ヶ所存在します。
その美しく穏やかな山容から「北アルプスの女王」と称されています。
登山の人気シーズンは?
薬師岳は、標高の高さもあり積雪期が長く、夏は短いです。
6月上旬まで残雪が残り、美しくはあるものの、登山では危険度を増します。
多くの一般登山客は、高山植物が芽吹き出す6月の中旬頃から増え始め、気温が下がり始める8月の下旬までにピークが終わります。
紅葉の季節も登山客は多少増えます。
この山の魅力
薬師岳の魅力は、まず富山市街など遠方から見上げたときの雄大さに感動し、登攀意欲がかきたてられます。
もちろん3000m級の山岳で、頂上付近は森林限界になり見晴らしも良いことから、展望も見事です。
北アルプスの山々が連なりが続き、天候次第では大雲海を視界に収めることもできます。
太郎兵衛平は豊富な高山植物が咲き乱れるお花畑が広がり、コバケイソウ・キンポウゲ・ウサギギク・タテヤマリンドウ・ミズバショウなど多くの種類が自生しています。
また特別天然記念物のライチョウの生息域であり、春頃から登山途中でよく目にすることができます。
登山のレベル
薬師岳は全体的には穏やかな山容をしており、山道もよく整備されていますが、森林限界を超えて頂上付近に近づくにつれて岩塊が姿を見せ歩行が厳しくなります。
周辺の山岳・峰へ稜線を縦走する登山客もいますが、もちろんそうなると登山レベルも格段に上がります。
山麓から山の中腹あたりにまで伸びているロープウェイをうまく利用することで、ルート距離を短縮し、登山レベルを下げることもできます。
主な登山ルート
薬師岳は複数の登山ルートを取ることができます。
選んだっ登山ルートによっても多少難易度は変わるので、自分の登山レベルを考慮しましょう。
折立~薬師岳1泊j2日ルート
折立をスタートし、三角点を通過して太郎兵衛小屋で1泊目します。
2日目は薬師峠へ登頂し、ピストンして下山します。
標高差1850m、総距離20.1㎞、所要時間13時間になります。
室堂~稜線縦走3泊4日ルート
室堂をスタートし、北峰・南峰を縦走して五色ヶ原山荘で1泊目。
2日目は越中沢岳を経由してスゴ乗越小屋で2泊目。
3日目は北薬師岳から薬師岳へ縦走、太郎平小屋で3泊目。
4日目は三角点から室堂へ下りゴールします。
かなりの距離を歩く上級者ルートになります。
標高差3545m(下り)総距離28.9㎞所要時間20時間半くらいになります。
冬山登山はできる?
薬師岳は冬登山も可能です。かなり雪深くなるので、ある程度冬山を経験した人がパーティを組んでフル装備でアタックしましょう。
薬師岳の冬はスキーを使う人も多く、日帰り・宿泊登山を楽しみます。
周辺道路は除雪車も出ますが、タイミングが悪いと規制に出くわしてしまうこともあるので、道路情報の確認は必須です。
過去の遭難事故で13名という命が奪われた遭難事故は、薬師岳を語る上において外せないものです。
どれだけ山道などが整備されても、天候が急変してホワイトアウトしてしまえば同じことが起きる危険性があるということを自覚しておきましょう。
山小屋情報薬
師岳にはたくさんの山小屋・山荘があります。
- 薬師岳山荘
- 場所:薬師岳山頂南西下
- 電話:076-451-9222
- FAX:FAX兼
- 営業期間:6月中旬~10月中旬(薬師岳開山祭に営業開始)
まとめ
北アルプスの名峰である薬師岳は登山ファンならば一度は登ってみたい山です。
天候の変化が激しい山なので、ソロ登山はできるだけ避け、ルートファインディングがしっかりできる同伴者とアタックすることをおすすめします。