光岳は静岡県と長野県の県境に位置する山です。標高は2591m、南アルプスに属し、富士山の南斜面と隣接しています。
山域は南アルプス国立公園の最南端に位置します。
日本百名山の一つに選定されています。
この記事に書いてあること
光岳について・概要
光岳の南西部は一級河川の大井川の源流であり、豊かな自然が育まれ、このエリアは原生自然環境保全地域に指定され保護されています。
山麓の東側には畑薙湖があります。
山頂付近は光岳がハイマツ群生の南の限界地域ですが、針葉樹林と混在するような形です。
展望は針葉樹林が邪魔をしてポイントによっては見づらいところもあります。
登山の人気シーズンは?
光岳の人気登山シーズンは、5月下旬から10月下旬までの夏山と秋山です。
高山植物はそれほど大きくありませんが、手付かずの原生林を楽しむことができる夏山はやはり登山客が集中する傾向にあります。
秋山も涼しく人気で、冬の訪れが急ではないことから紅葉の時期も長く、ベストなタイミングを見つけやすいでしょう。
この山の魅力
光岳の魅力は豊かな自然環境を楽しみながら山道を登れることです。
また、一般的には「展望の悪い山」と思われがちですが、これは山頂に限ってのことです。
センジカ原の草原では高い樹木がありませんし、イザルガ岳からは南アルプスの峰々を一望でき、十分に展望を楽しむこともできます。
沢が多いのも光岳の魅力であり、盛夏には涼しい山道を快適に進んで行くことができます。
南アルプスの山岳の中では比較的アクセスが良い方で、国道152号線・142号線が山麓に通ります。
登山のレベル
光岳の登山レベルは、中級から上級です。
光岳の登山ルートの中には直登するものもあり、しかも強い傾斜の山道を1000m以上も進まなくてはなりません。
かなり体力と脚力に自信がある人でなければリタイアは避けられないほどハードなので、ルート選択は慎重に行いましょう。
山頂近くの一部にトラバースするポイントがあり、滑落に注意が必要です。
トレッキング程度の経験しかない人では恐怖を感じてしまうかもしれません。
主な登山ルート
光岳は複数の登山ルートが取れます。
アクセスが充実していることから、山の東側からのアプローチが多いようです。
易老度~縦走2泊3日ルート
易老度 をスタートし、面平→易老岳→三吉平へ登り、イザルガ岳分岐を経て光小屋で宿泊します。
2日目に光岳に登頂、イザルガ岳分岐からイザルガ岳へ縦走し、三吉平→易老岳→希望峰→茶臼岳へとさらに進みます。
横窪沢分岐を通り、茶臼小屋に至り宿泊。
3日目は樺段から下り、ウソッコ沢小屋を通過して畑薙大吊橋を通って沼平でゴールします。
標高差3107m(登り)総距離26.6㎞、所要時間16時間になります。
聖岳登山口~縦走3泊4日ルート
聖岳登山口をスタートし、滝見台を通過して聖平小屋で1泊目。
2日目は薊畑分岐から小聖岳→聖岳と縦走し薊畑分岐まで戻って南岳へ登頂、横窪分岐を経て茶臼小屋で2泊目。
3日目は茶臼岳から希望峰→易老岳→三吉平イザルガ岳分岐を通り、横窪分岐まで戻り茶臼小屋で3泊目。
4日目は樺段から横窪沢小屋を経由、ヤレヤレ峠から畑薙大吊橋を通りゴールします。
標高差5023m(登り)総距離40.4㎞、所要時間25時間半になります。
冬山登山はできる?
光岳は冬登山に訪れる登山者も多くいます。
ただし、積雪量によってはラッセルで進まなくてはいけない状況にもなります。
防寒用具はもちろんのこと雪山に対しての適切な装備は怠ることはできません。
また、アクセス道路が凍結・積雪のために通行止めになることもあるので、事前に最新情報をチェックすることも忘れずに。
山小屋情報
光岳には複数の山小屋が設置されています。
- 県営光小屋
- 場所:光岳東方
- 電話:090-6939-2356
- FAX:0466-27-7659
- 営業期間:7月中旬~9月中旬まで
まとめ
光岳の楽しみの一つに「富士山の展望」があります。
日本のどの山よりも富士山に近い距離にある光岳は、他の山からは見れない富士山の展望を楽しむことができます。