
五竜岳は富山県と長野県にまたがって位置する山です。北アルプスを構成する一つで標高は2814m、後立山連峰の主要峰として登山客にもよく知られています。
山域は、中部山岳国立公園の中にあり、日本百名山にも選定されています。
山頂部は森林限界を超えるために岩肌がむき出しのエリアも多く、荒々しい山体はその名の通り竜を思わせる印象です。
明治時代には銅山として機能していました。
この記事に書いてあること
五竜岳について・概要
五竜岳は溶結凝灰岩と花崗岩により構成されています。
かなりの数の岩稜があり、ロッククライミングのメッカとしても知られる存在です。
稜線は鋭角のV字をした形状であり登山の難所といえますが、それが逆に登山客を惹きつける魅力にもなっています。
山腹の南側は高山植物の繁殖域であり、白馬連山高山植物帯に属します。
特別天然記念物にも指定されるほど希少な植物が多く、独特の自然体系を有しています。
登山の人気シーズンは?
五竜岳は非常に標高の高い山岳であること、また高山植物の人気スポットなどから夏山に集中して登山客が訪れます。
豊かな山麓に豊かな自然林があり、紅葉の季節も短期間登山客のピークがあります。
ロープウェウィも整備されているので、本格的な登山から、高山植物を楽しみながらトレッキングをする方まで、雪のない季節には常に人でにぎわう山でもあります。
この山の魅力
五竜岳の魅力の一つが開けた山頂からの絶景です。
ほぼ3000m級の標高から望む展望は壮大なスケール感で、延々とつづく飛騨山脈や鹿島槍ヶ岳が眼前に広がります。
雲のない日には遠く富士山をのぞむこともできます。
また、天然記念物に指定されている高山植物帯も五竜岳の大きな魅力の一つです。
標高1500m付近には白馬五竜高山植物園があり、200万株もn高山植物を楽しみながら食事や'買い物もできる観光スポットとして人気があります。
登山のレベル
五竜岳は3000m級の山岳でありながら、ルート選択によって初心者から上級者までアタックすることが可能な山です。
五合目あたりまでリフトを使ってアクセスすることが可能なので、脚力に自信のない方でも無理なく登山を満喫することができます。
いっぽう山頂付近は環境が一変し荒々しい岩山となります。
登山上級者が本格に北アルプスの稜線縦走を楽しむこともできる二面性を持つ山でもあります。
主な登山ルート
五竜岳は登山ルートが多いことでも知られています。
リフトも整備されているので、自分の登山レベルに合わせてルートプランを立てることが可能です。
アルプス平~五竜岳1泊2日ルート
リフト(テレキャビン)の終点アルプス平をスタートし、小遠見山、大遠見山を経由して五竜岳山荘で1泊目。
2日目に五竜岳山頂を目指し、来た道を下山しゴールします。
五竜岳登山では最も人気のあるルートで、初心者の登山愛好家でも比較的楽に登り切ることができます。
五竜岳山荘付近にはテント場もあります。
標高差1288m、総距離15.1㎞所要時間11時間半になります。
鎌池~八方尾根1泊2日ルート
鎌池をスタートし、八方池山荘を通過、唐松岳頂上山荘を経由して五竜山荘で1泊目。
2日目は五竜岳に向かい大遠見山を経由してアルプス平駅でゴールします。
総距離17.6㎞、所要時間13時間半になります。
冬山登山はできる?
五竜岳は冬登山も人気です。幕営もできるので、1泊2日などでキャンプを楽しむこともできます。
ただし、北アルプスの3000m級の山岳ですので、十分な登山経験のある上級者でないと危険です。
厳冬期になると腰まで積もる雪道をラッセルしながら長い距離を進むことになります。
雪崩・遭難・滑落事故が多い山であることも覚えておきましょう。
山小屋情報
五竜岳には山小屋・山荘・避難小屋がいくつかあります。
宿泊登山や冬山登山には 大いに利用できるでしょう。
- 五竜山荘
- 場所:五竜岳白岳鞍部
- 電話:0261-72-2002
- FAX:0261-72-22800
- 営業期間:4月下旬~5月中旬、6月中旬~10月中旬(変動あり)
まとめ
北アルプスに登ることは、多くの登山愛好者の憧れでもあります。
登山経験が浅い人はリフトなどをうまく利用し、安全なルートからはじめるようにしましょう。