
那須岳は別名「茶臼岳」とも呼ばれ栃木県那須郡に位置する連山のことを指します。那須岳は成層火山であり、栃木県の山岳では唯一ガスを噴出するなど活動がさかんな火山です。
火山特有の荒々しい山容をし、そこから噴煙を上げる姿は非常に雄大で、栃木県のシンボルとして地元の住民にも親しまれています。
日本百名山にも選定されています。
この記事に書いてあること
那須岳について・概要
「那須岳」という呼称は、茶臼岳単体のことを指す場合と、周辺の山を含めた連山を含める場合とがあります。
最も標高が高いのは三本槍岳の1917m、で茶臼岳・白笹山・黒尾谷岳・朝日岳と連なります。
山頂部は広大な面積があり、噴出するガスのために硫黄の臭気を感じます。
非常に緑の豊かな山ですが、頂上付近は岩とむき出しの山肌で荒れた地形になっています。
ロープウェイが整備されたことで、軽装でも頂上まで登れるアクセスの良さもあります。
登山の人気シーズンは?
那須岳は4月中旬まで雪が残るので、5月の下旬から11月までが人気シーズンとなります。
5月下旬の新緑の頃から徐々に登山客も増え始め、7~8月の夏のシーズンがピーク、その後紅葉が本格的に色づき始める10月にもまた人が増え始めます。
この山の魅力
那須岳登山の魅力は、水蒸気とガスを噴出させる活火山の自然の息吹と視界360度の雄大な景色を望める展望の良さです。
頂上付近の岩稜が続く風景は、活火山でしか味わえないもので、そこから見下ろす那須野ヶ原の風景を見ると、強い登山の達成感を得ることができるでしょう。
高山植物も美しい那須岳ですが、とくに紅葉が有名です。
モミジ・ツツジ・ナナカマドなどが山全体を紅く染め始めると、紅葉目当ての登山客が押し寄せるように那須岳に登ります。
那須岳周辺には温泉も多くあります。
登山のレベル
那須岳の登山レベルは中級から上級といったところです。
渡渉はなく、部分的に木道なども整備されていますが、火山特有の岩場が多く危険です。
傾斜も強めなので体力的に自信がある人でないと、途中でリタイヤしてしまうこともあるでしょう。
ただしこれは山麓から登る場合の話です。
那須岳には頂上までロープウェイでアクセスできるので、ごく軽装で山頂にやってくる観光客も少なくありません。
ただし、活動著しい那須岳ですから、火山活動による揺れが観測されるとロープウェイの運行が停止されてしまうこともあります。
ロープウェイを利用するにしても、ある程度の登山装備をすることを強くおすすめします。
主な登山ルート
那須岳は登山口があまり多くなく、そのため登山ルートも連峰縦走をどう組み合わせるかになります。
多くの峰に登りたい場合には日帰りでは難しくなり1泊2日は必要になります。
日帰りと宿泊の2つのルートを挙げておきます。
山麓駅~縦走ルート
ロープウェイ山麓駅をスタートし、朝日岳三本槍岳、茶臼岳と主要な三山を巡るルートです。
標高差1040m(登り)総距離10.5㎞、所要時間7時間になります。
山頂駅~三山縦走ルート
ロープウェイを利用して頂上からスタートし、朝日岳、三本槍岳を通過し三斗屋温泉で1泊します。
2日目は沼原・姥ヶ原分岐を通り、山麓駅で下山。
標高差1312m(登り)、総距離15.2㎞、所要時間7時間半になります。
1泊しますが、比較的ゆったりと楽しめる登山プランです。
冬山登山はできる?
那須岳は冬山も人気ですが、冬季は強風が吹き荒れることで有名で、事故が起きる危険性が高いことも知っておく必要があります。
那須はスキーでも有名ですが、那須岳とは別の場所です。
那須岳近辺のスキーをする人はBC(バックカントリースキーヤー)で、登山技術も要求されるので、混同しないようにしましょう。
那須岳の冬は噴出蒸気と雪とのコントラストが素晴らしく、冬山のファンも多くいます。
山小屋情報
那須岳には宿泊施設や山小屋が多くあります。
宿泊を検討している場合にも利用することができます。
- 峰ノ茶屋避難小屋
- 場所:峰ノ茶屋跡・
- 電話:0287-23-6363
- FAX:0287-23-6366
- 営業期間:通年(無人)
- 那須岳避難小屋
- 場所:峰ノ茶屋跡北西300m
- 電話:0287-23-6363
- FAX:0287-23-6366
- 営業時間:通年(無人)
まとめ
栃木県でも有数の登山が楽しめる山として那須岳は有名です。
多少体力は必要なものの、ロープウェイを利用することで無理のない登山プランを作ることもできるので、初心者の方でもアタックしやすい山です。