
赤石岳は長野県と静岡県の県境に位置する山です。南アルプスでは4番目の高さを持ち、日本全体では7位の標高。
最高峰の標高は3121m、山域全体が南アルプス国立公園に属します。
日本百名山・新日本百名山に選定され、南アルプスでも登山人気の高い山です。
この記事に書いてあること
赤石岳について・概要
赤石岳の山名の由来は、山体の一部に雨に濡れると赤く変色をする「ラジオラリアチャート岩盤」があることで、赤石岳の見どころの一つにもなっています。
山頂付近は森林限界になり、岩屑と巨大な岩が散乱する岩場が広がります。
赤石岳には複数のカールが見られ、これは古代に氷河によって削られてできた地形です。
このカール(圏谷)が見られるのは、赤石岳が日本では最南端になります。
山腹の南側は大井川支流の源流であり、沢も点在します。
登山の人気シーズンは?
標高3000mを超える赤石岳は、積雪期が長く植物が芽吹き始める期間が夏に集中します。
そのため登山客も夏から秋にかけて集中し、元来赤石岳は人気の高い山であることからも、かなりのにぎわいを見せる時期もあります。
高山植物の開花時期と梅雨が重なり、また残雪が溶け切る前に高山植物のいくつかが開花を始めます。
冬の到来は比較的ゆっくりtで、10月の下旬ころまでは秋の紅葉を楽しめるでしょう。
この山の魅力
赤石岳の魅力は、南アルプスの他の山と同様に、稜線を縦走したときに見られる絶景です。
また、非常に豊かな高山植物の繁殖域でもあり、夏山では広大なお花畑と出会うことができます。
自然環境が素晴らしく、自生するアカイシリンドウは環境省のレッドリストに指定されている希少植物です。
天然保護動物のライチョウの生息域でもあり、山腹の原生林にはニホンカモシカツキノワグマ、ニホンジカなどの野生動物が生息しています。
登山のレベル
赤石岳の登山レベルは中級から上級といったところです。
選択するルートによっては少し容易な場合もありますが、難所が山頂付近に集中しているために結果的にはどのルートも難易度が上がってしまいます。
登山ルートによっては、岩壁をトラバースするポイントもあり、危険度も高くなります。
かなりの距離、岩場を歩くことになるので、体力・脚力もそれなりに必要です。
主な登山ルート
赤石岳は登山口までのアクセスに難があり、直登・縦走どちらのルートを選択してもルート距離が長くなる傾向にあります。
体力・脚力に自信のない人は宿泊プランでルートを検討しましょう。
椹島ロッヂ~赤石岳2泊3日ルート
椹島ロッヂをスタートし、滝見橋→小石下→清水平と進み、見晴台から駒鳥池を経由して千枚小屋で1泊目。
2日目は千枚岳から丸山を経由、悪沢岳→中岳と縦走、赤石小屋分岐を経て赤石岳へ進みます。
北沢源頭から富士見平へ進み、赤石小屋で2泊目。
3日目はカンバ段を経由して椹島ロッヂでゴールします。
標高差3698m、総距離28.9㎞、所要時間16時間になります。
椹島ロッヂ~赤石岳・聖岳3泊4日ルート
椹島ロッヂをスタートし、カンバ段を経由して赤石小屋で宿泊。
2日目は富士見平から北沢源頭→赤石小屋分岐→赤石岳と登頂します。
百聞平洞山の家で2泊目。
3日目は大沢岳に登り、中盛丸山→小兎岳→聖岳と縦走、奥聖岳にさらに進み小聖岳を経由した聖平小屋で宿泊。
4日目に滝見台へと下り聖沢吊橋を通り、椹島ロッヂでゴール。
標高差4544m総距離33.8㎞、所要時間21時間になります。
冬山登山はできる?
赤石岳は冬登山も可能です。
赤石岳は夏山もかなり人気が高いことから、冬にも登山客を多く見ることができます。
冬の赤石岳は登山レベルが数段高くなるので、他の山岳で雪山を経験したことがある人でないと危険です。
実際に多くの登山者が天候が荒れたことなどが原因で途中リタイヤする事例が頻発しています。
もと登山レベルの低い山岳で雪山登山のトレーニングをしてからアタックすることをおすすめします。
山小屋情報
赤石岳は人気の山ですので、大量の登山客に合わせて山小屋・避難小屋がたくさん設置されています。
登山ルートも長くなる傾向にあるので、プランを考えるときに必ず山小屋の所在も確認しておきましょう。
- 静岡県営赤石岳避難小屋
- 場所:赤石岳山頂南側
- 電話:05457-46-4717
- FAX:なし
- 営業期間:7月中旬~9月30日まで
まとめ
南アルプスの山岳の中でも屈指の人気をほこる赤石岳は、3000m級高山の魅力を堪能できる山です。
登山初心者の方の目標にもなる名峰としても知られています。