久住山/日帰り登山レポート【星生山/天狗ヶ城/熊野岳/中岳】

大分に住む友人に会いに行くことになり、これはチャンスとついでに大分県の久住山に登りました。

九州の山ははじめてで、アルプスの山とはどう違うのか、どんな風景に出会えるのか、ワクワクしながらの単独登山でした。

ひとりなのをいいことに、ケチな山行で目一杯楽しみました。




登山データー

登山日付 2017年11月25日
天候 晴れ時々雪のち曇り
最低気温 -4℃(山頂)
最高気温 6℃(山頂)
トータル時間 約7時間10分 ※休憩:1時間
ルート 牧の戸峠登山口(7:00)→沓掛山(7:25)→扇ヶ鼻分岐(8:10)→星生山(8:40)→久住山避難小屋(9:10)→ 天狗ヶ城(9:50)→中岳(10:10)→久住山(11:20)→久住山避難小屋(11:50-12:40)→扇ヶ鼻分岐(13:10)→沓掛山(13:50)→牧の戸峠登山口→(14:05)

主な服装・持ち物

  • ザック:mont-bell・ロゼパック・20L
  • シューズ:MAMMUT
  • チェーンスパイク
  • 服装:半袖、長袖インナー、長ズボン
  • レインウェア上下
  • フリース
  • ダウン
  • キャップ(ゴアテックス)
  • 手袋(防水用の厚いもの)
  • 手袋(薄いもの)
  • 行動食(じゃがりこ、クッキー、キャラメル)
  • 昼食(カップヌードル)
  • バーナー
  • クッカー
  • 飲みもの2.5L(昼食用のお湯を含めて)

久住山はどんな山?

久住山(九重山)は、大分県竹田市久住町にある山で、九重連峰のひとつです。

標高は1786mで、日本百名山に選ばれています。

最高峰は、久住山ではなく、同じく九重連峰のひとつである中岳(標高1791m)です。

活火山で、噴火警戒レベル1で監視が必要な山になっています。

呼び方は「久住山」と「九重山」のふたつがあります。

一般的には、火山群や周辺地域全体を指す場合は「九重山」や「九重連山」と言い、単独の山を指す場合は「久住山」と言うようです。

ここら辺一帯は、「連峰阿蘇くじゅう国立公園」に指定されています(くじゅうは平仮名)。

ちなみに、九重連山は竹田市と九重町にまたがっていますが、「九重町」の読み方は「ここのえまち」です。

なんだかややこしいですね。

四方に登山口があり主峰の久住山を目指せるので、リピートしても飽きなそうな山だなあと「山と高原地図」を眺めていて思いました。

今回ははじめてなので、牧の戸峠登山口からの定番コースを登ることにしました。

せっかく九州に来て久住山だけだともったいないので、九重連山をいくつか縦走するコースにしました。

東京→大分の航空券と宿の取り方

価格重視の格安登山の旅今回はとにかく安さ重視で。

いちばんお金がかかる移動費と滞在費をどう安くするかが重要です。

まずは移動費。

航空券と宿は一緒に取るほうが、それぞれ乗るよりかなりお得になる場合があります。

まずは一括サイトで検索します。

楽天トラベルはクーポンで安くなる場合があるので、一括サイトで最安のツアーを見つけたあと、楽天トラベルと比較します。

ここで宿泊先を考えます。

登山の朝は早いので、ホテルにいる時間は短くなりますね。わたしはソロ登山のときは、漫画喫茶かカラオケに泊まります。

航空券+初日1泊のツアーで予約するとお得です。

今回は、阪急交通社の「ANA・ソラシドエア・スターフライヤー便で行く!九州フリープラン1泊4日」が33880円でいちばん安かったのでこちらを予約しました。

九州のどこの空港でも選べるのも魅力です。

2日目は漫画喫茶、3日目は友人宅に泊まりました。

レンタカーのチェック

レンタカーも価格はそれぞれ!一括サイトで検索!

レンタカーも検索するサイトやクーポン使用の有無によって差が出てきます。

クーポン使用でお得になる場合があるのは、楽天レンタカーとじゃらんレンタカーです。

今回は楽天レンタカーで予約し、3泊4日(24日20:00-27日19:00)で借りて12600円でした。

都内では考えられない値段ですね。

飛行機に乗る際の注意!

ガス缶はNG、ナイフはザックに入れて預け荷物しましょう。

ついいつものクセでガス缶とバーナー、クッカーを入れてしまうひとも多いのではないでしょうか。

飛行機は、預け荷物としても機内持ち込みとしても? ガス缶は持ち込めません。

お昼の自炊を考えている場合、現地調達しなければいけません。

実はわたしも、このとき飛行機はガス缶NGというのとを知らずに、しかも行きは検査でも引っ掛からず持ち込んでしまいました。

帰りの検査で引っ掛かり、ガス缶を没収されました。

また、ナイフを入れているひとも多いかと思います。

ナイフは機内持ち込みできないので、預け荷物にしましょう。

別のときに仲間がザックに入れているのを忘れていて保安検査場で止められていました。

このときは時間があったので、急遽預け荷物にしました。

このふたつ、注意です!

移動は飛行機の安い時間帯に

登山は朝早くから登りはじめる必要があるので、1日移動日にするか、前日の夜に移動しておく必要があります。

わたしはもちろん前日の夜を選択。

前日の夜に移動するほうが航空券も安いし、1日目から登山できるので時間に無駄がありません。

羽田空港を18時過ぎに出発し、20時前に大分空港に着きました。

会社帰りにスーツで羽田空港に直行です。

レンタカーを借りて、折角なので温泉に。

別府の地獄巡りに唯一ある「鬼石の湯」に行きました。

大分空港からは高速で45分くらい、高速に乗らないと1時間くらいです。

もちろん乗らないで行きました。

最終受付が21時半、営業時間は22時までです。

料金は大人620円、子ども300円です。

HPに割引券が載っていて、620円→500円になります。

【鬼石の湯HP】
http://oniishi.com/

22時ギリギリまで温泉に入り、ホテルに向かいました。

牧の戸登山口→星生山(所要時間:100分)

牧の戸登山口

いよいよ久住山の登山です。

15時に下山することを目標として、コースタイムを逆算して7時から登りはじめました。

登山口にいた他の登山者はひとりだけ。

人気の山だと聞いたので、たくさんいるかと思いましたがひとがおらず若干不安になりました。

登山口にはうっすら雪が積もっていました。

第一展望所

大分の山の11月下旬はそこまで寒くないと思っていましたが、まさかの雪でびっくりです。

登山道も凍っていたので、念のため持ってきていたチェーンスパイクを装着し登山開始です。

10分くらいすると、「第一展望所」が出てきます。

少し明るくなってきました。朝焼けに輝く大分の街がきれいでしたが、寒くて止まっていられないので、先に進みました。

ここからは木道の階段を上がっていきます。

整備されている登山道で、普段はとても歩きやすそうです。

整備されている登山道

今回は、木道が凍っていて気を抜くとすぐに転んでしまいそうでした。

しかし、寒いからこそ見られる光景も。そこここの木々が霧氷を付けていました。

霧氷とは、氷点下の霧や雲が木の枝に付いてできる氷です。

うね雲

はじめて見た霧氷に、寒いのにしばし立ち止まって見入ってしまいました。

しばらく霧氷を見ていると、空に不思議な雲も。

のちのち調べてみると、「うね雲」と言うそうです。

  • 1.雲の層が厚く、
  • 2.うねのように並んでいて、
  • 3.空の低いところにある

のが特徴です。

展望台

第一展望からさらに10分くらいすると、展望台が出てきます。

見晴らしがよく、とても気持ちのよい場所です。

ここではじめて登山者に会いました。相手の方もソロで、久住山を目指すそう。

登山口から30分かからないくらいで沓掛山に着きました。

とはいっても、看板を探せず、GPSでここら辺だろうというくらいでした。

あとから他のひとの登頂写真を見たら、割りと大きな看板があったので、なんで見逃したのだろうか・・・

沓掛山から扇ヶ鼻分岐まではハシゴがあったり、岩を上り降りするところがあります。

牧の戸ルート

「山と高原地図」によると、牧の戸ルートでいちばん最短でポピュラーなルートらしいです。

牧の戸ルート

眺めもよく、アップダウンも激しくないところが人気の理由でしょうか。

牧の戸ルート

扇ヶ鼻分岐からは見晴らしのよい草原のような道を上ります。

11月の久住山は風がかなり強く、このように風を遮るようなところがあまりないので、体感温度はかなり低く感じます。

九州だから、関東の山のほうが寒いだろうと思っていましたが、大間違いでした。

久住山のほうが桁違いに寒かったです。

扇ヶ鼻分岐側

写真は、扇ヶ鼻分岐側から星生山と久住山の間を撮ったものです。

これから歩くルートです。

星生山

こうやって見ると、結構上らなくてはいけないように見えますが、分岐から星生山までは30分くらいです。

星生山に着いたときには、帽子はかぶっていられないほどでした。

九重連山

眺めは素晴らしく、おそらく九重連山だと思われる山々が一望できます。

強風に注意の星生山→久住山(所要時間:160分)

久住山避難小屋

星生山の山頂には強風のため長居できず、10分程度眺めて中岳に向かいました。

これからの向かうルートはこんな感じです。遠くにぼんやり久住山避難小屋が見えます。

まっすぐの尾根歩き、この時期でなければ気持ち良さそうです。

この道を30分ほど歩くと、久住山避難小屋に着きます。

硫黄山

避難小屋から進行方向を見て左側に、ガスが滞留しているため登山が禁止されている硫黄山があります。

天狗ヶ城

そんなことを感じさせないくらい美しい姿なので、忘れずに眺めてください。

久住山避難小屋から40分くらいで天狗ヶ城に着きました。

御池

看板に凍りついた雪で、風の強さと寒さを目で感じられますね。

完全防備で来て正解でした。

御池という池がありますが、この時期は凍っていました。

九重連山の最高峰

天狗ヶ城から中岳までは20分ほどで到着。

九重連山の最高峰です!

中岳

周りの風景は、霜が降りていて特撮映画のなかにいる気分になりました。

アメリカのテキサス州のイメージ・・・(個人的な感想です)

中岳

登山者は、ちらほら来て写真を撮ってすぐに下りていくような状態で、関東では見られない風景を邪魔されず静かに眺めることができました。

とはいえ、15分もボーッとしていると鼻水が垂れて仕方ないので、次の山の久住山を目指します。

だだっ広い登山道には誰一人おらず(苦笑)

中岳から久住山までは1時間ちょっと。

100メートルほど下って、また100メートルほど上がります。

大したアップダウンではないですが、風があるので、それなりに疲れました。

久住山

久住山に到着したのは11時半前。

こんなに大冒険したつもりが、またお昼前です。

時間の感覚が鈍る現象も登山あるあるのひとつ。

久住山山頂

久住山山頂は、中岳より霜はなかったです。

見下ろす町並みもまだ冬の訪れを感じませんが、手前の霧氷を見ると、改めて「高いところにいるんだなぁ」と実感します。

久住山→牧の戸登山口(所要時間:115分+休憩約60分)

久住山

初の九州の山の山頂を踏み、かなり満足しながら下山開始です。

地形や気候など、改めて関東の山とは違い、新鮮な気分です。

アルプスとは違うダイナミックさがあります。

カップラーメン

久住山から30分ほど下ると避難小屋です。

ちょうどお昼の時間なので、お湯を沸かしてカップラーメンと紅茶をいただきしばし休憩。

この時間は結構登山者がいました。

久住山のみを目指すのであればこのくらいの時間で十分なのでしょう。

お子さま連れもカップルも結構いて、和気あいあいとした感じが和みます。

避難小屋からは星生山を通らずまっすぐ扇ヶ鼻分岐に行ける最短ルートを選択。

牧の戸登山口から扇ヶ鼻分岐の間は、行きと帰りがどうしても同じ道になってしまいますが、その区間以外はほとんど違う道を歩けるのが、九重連山縦走の魅力のひとつでもあると思います。

目標どおり、15時前に無事下山できました。

九重"夢"大吊橋

九重"夢"大吊橋

時間があれば是非寄ってほしい「九重"夢"大吊橋」

牧の戸登山口から車で20分くらいのところに、大きな吊橋があります。

高さが173m、長さが390mで、65㎏の人が一度に約1,800人乗っても平気な日本一の吊り橋だそうです。

ちょうど紅葉の時期でかなり賑わっていました。

下山後の温泉は湯布院エリアの「ぬるかわ温泉」

下山後の温泉には困りませんが、せっかくなので湯布院の温泉に行きました。

夢大吊橋からは車で約50分。

日帰り温泉もたくさんあるので選び放題ではありますが、「御宿 ぬるかわ温泉」にしました。

湯布院エリアの観光地である金鱗湖そばにあり、ネットに「人が少なくゆったりと寛げる」と書いてあったのが決め手でした。

また、他の日帰り温泉はだいたい16時までで入浴料が700円くらいだったのに対して、「ぬるかわ温泉」は20時までやっており料金は430円でした。

そして地元のひとも認めるくらい良い泉質らしいです。

久住山では身体の芯から寒かったので、身体のなかからあたたまって気持ちよかったです!

宿は大分市の漫画喫茶

翌日は大分県のもうひとつの百名山である祖母山に行く予定でした。

ただし、祖母山の登山口の近くには漫画喫茶はないので、大分市の漫画喫茶に泊まりました。

いろいろな漫画喫茶がありますが、泊まる場合のおすすめは「快活CLUB」です。

他の漫画喫茶より若干高めですが、きれいで女性専用エリアのセキュリティもしっかりしています。

大分市には「快活CLUB」は2箇所ありますが、より祖母山登山口に近い「快活CLUB大分市森町店」に宿泊しました。

【快活CLUB大分市森町店HP】
https://www.kaikatsu.jp/shop/detail/20852.html

料金は会員なら1235円+税(土曜日、9時間パック)です。

まとめ

初の九州登山は、想像してたよりはるかにアドベンチャーでした。

関東の山はいろいろ登っているつもりでしたが、どれとも違う姿を見せてくれました。

特に地形が面白かったです。

登山の醍醐味は、高い山に登ることではないことを教えてくれた登山でした。

蛇足で翌日の祖母山について少しだけ・・・

あいにくの大雨で、誰にも会わず獣の気配を感じながら迷子になるという非常に怖い思いをしました。

一応ピークは踏みましたが、祖母山の良さは感じられず。

リベンジが必要ですね。