天城山は静岡県の伊豆半島に位置します。天城連山や天城山脈と呼ばれることもある標高1406mの複合火山です。

非常に美しい山容を持ち日本百名山に選定され、山域は富士箱根伊豆国立公園に属しています。

古くは徳川幕府の天領地として、ヒノキ・マツ・スギなど9種類の木が育てられていました。

現在でもその名残りがあり、多くの樹木林が繁茂し深い緑のある山腹となっています。




天城山について・概要

天城山の山頂は万三郎岳・万二郎岳・遠笠山など複数の峰が集まって構成されています。

直径7㎞のカルデラがあり、山の西の稜線上に「八丁池」という断層湖があり、登山の際の見どころとして親しまれています。

天城山は降雨量が多くそれによって豊かな自然環境が形成されています。

天城山という山名は「雨木」という言葉が由来だという説も残っています。

登山の人気シーズンは?

天城山は3月の下旬から11月中旬くらいが適切期です。

とくに5月の新緑の季節や夏場の植物が豊富な時期、また10月の中旬頃の紅葉の時期も登山客が増えます。

とくに夏山のシャクナゲは名物で、開花時期になると多くの方が鑑賞を兼ねた登山を楽しみに来ます。

夏の暑い時期にブナやヒメシャラなどの高い木の木陰になる山道を歩くのは、非常に涼しく快適です。

この山の魅力

天城山の魅力は、古くから幕府の天領地とされてきたことから人の往来がしやすいように整備されているところです。

1406mと標高もそれほど高くはなく、それでいて豊かな自然環境があることで、気軽な登山・トレッキングをする山岳としては最適だといえます。

山頂の各岳から見られる展望も良く、伊豆半島の海が望めます。

天城山の紅葉は非常に素晴らしく、関東では1、2を争う紅葉のメッカです。

登山のレベル

天城山の登山レベルは初心者向けです。

標高も低く山道がきれいに整備されていて、難所もほとんどないのでどんな方でも安全に登山を楽しむことができます。

登山の歳には、最低限の登山装備と一般的なアウトドアの知識があれば問題ないでしょう。

山道は森林の中を縫うようにありますが、しっかりとした道標も分岐ごとに立てられているので迷うこともないはずです。

登山口までのアクセスもしやすく、公共機関が整備されているので楽にアプローチできる理由です。

主な登山ルート

天城山は登山口が少なく、そのためルートもかぎられてきます。

天城縦走路入り口~縦走ルート

天城縦走路入り口をスタートし、四辻を通過し万三郎岳へ登頂します。

そこから万二郎岳を縦走し、四辻へ合流して登山口に戻るルートです。

標高差833m総距離8.3㎞所要時間4時間半になります。

天城高原ゴルフ場~縦走ルート

天城高原ゴルフ場をスタートし、万二郎岳・万三郎岳・八丁池・天城峠と縦走し天城峠バス停でゴールします。

標高差1231m(下り)総距離15㎞所要時間5時間半になります。

天城峠の稜線のほとんどを踏破できる代表的な人気コースです。

冬山登山はできる?

天城山は冬登山もできます。

真冬でもそれほど積雪は多くなく本格的な装備を持たなくても、防寒対策だけをしていれば比較的安全に登れる山です。

ただし、部分的に傾斜が強くなる悪路もあり、そこに積雪があると歩きにくいので、コンパクトアイゼンなどを携帯していくと安心です。

山小屋情報

天城山には山小屋はありません。

登山の際に役立つキャンプ場や水場などを挙げておきます。

  • 天城高原駐車場・水場
  • 場所:天城高原ゴルフコース内トイレ横(飲用不可)
  • 伊東市青少年キャンプ(水場あり)
  • 場所:静岡県伊東市池字676-1
  • 電話:0557-37-7135
  • 営業期間:年末年始休場(1日1団体のみ利用可)

まとめ

天城山は山道が整備され初心者でも登れる山ですが、ここ数年遭難者が増えているとのことです。

標高の低い山でも油断は禁物です。

登山ルールはしっかりと確認する必要があります。