
吾妻山は福島県にある火山群の総称です。単体の山と区別するために吾妻連峰と呼ばれることもあります。
西吾妻山が最高峰となり標高は2035m。
日本百名山、うつくし山百名山にも数えられる景観の良い火山連峰です。
この記事に書いてあること
吾妻山について・概要
吾妻山は2000mクラスの火山が連続する山脈であり、これは東北ではめずらしいものです。
しかし標高こそ高いものの、全体的になだらかな山体であり全体的に大きな塊に見えます。
吾妻連峰を構成する東吾妻火山にはカルデラが見られます。
現在までも火山活動はあり、噴火レベル1~2と発表されています。
強風と積雪のために高山植物が多い自然環境の特徴があります。
登山の人気シーズンは?
吾妻山の登山シーズンは5月中旬の新緑の時期から10月中旬の紅葉の時期までです。
比較的天候が安定し高山植物が最盛期を迎える夏に登山客は集中します。
混雑を避けたい人は秋山を選ぶことが多いようです。
この山の魅力
吾妻山最大の魅力は、なんといってもその展望の良さです。
360度のパノラマは絶景で、福島市、猪苗代町なども一望することができます。
また吾妻の瞳と称される五色沼や湿原があり、肥沃な大地に多くの植物が繁殖しており、温泉もあちこちで湧いているので日本らしい山の条件を多く持っているといえるでしょう。
登山のレベル
吾妻山の登山レベルは、コース選定にもよりますが、概ね中級程度です。
連峰ということもあり、目的地を多く設定しがちになりその分距離も増えるので、体力はかなり必要です。
ただし、吾妻山は2000m級ですが、ロープウェイやリフト・ゴンドラなどアクセス設備が充実しており、これらをうまく利用することで登山レベルを下げることも可能です。
主な登山ルート
吾妻連峰はエリアが広大なため、登山口だけでもかなりあり、組み合わせる登山ルートも膨大になります。
やはり最高峰の西吾妻山が人気なので、そこを起点としたいくつかのルートを上げておきます。
湯本駅~西吾妻山ルート
湯本駅からロープウェイを使い天元台駅へ向かいそこから西吾妻山へ向かい天元台へ戻るルートです。
ロープウェイを利用することで難易度を下げ気楽に頂上を目指せるルートです。
ヒュ交差1260m、総距離9.5㎞、所要時間5時間になります。
浄土平~西吾妻山ルート
浄土平をスタートし一切経山を経由し烏帽子山と稜線を進み、弥兵衛小屋で1泊。
翌日、人形石、梵天岩を経由し稜線を縦走して西吾妻山を目指します。
連峰登山を堪能できる縦走ルートになります。
標高差2081m、総距離23.8㎞、所要時間合計12時間になります。
冬山登山はできる?
吾妻山の冬は厳しく登山は過酷になります。
ただし、ロープウェイやリフト・ゴンドラなども完備されているので、スキー・スノーボードが目的の人は多く訪れます。
また、近年では需要(スノーモンスター)を見ることが目的で訪れる人も増えているようです。
積雪は深くラッセルで進むケースもあり、途中断念される登山客が多いことも考慮しておきましょう。
山小屋情報
吾妻山には複数の山小屋、宿泊施設があります。
稜線上にある山小屋は宿泊登山プランの構築には必須となるでしょう。
- 弥兵衛平避難小屋(旧明日香荘)
- 場所:東大嶺北明月湖畔
- 電話:0238-22-5111
- FAX:0238-24-4541
- 営業期間:通年(無人)
- 酸ヶ平避難小屋
- 場所:浄土平から西へ40分
- 電話:024-521-7251
- FAX:024-521-7927
- 営業時間:通年(無人)
まとめ
東北福島エリアでは数少ない2000m級の標高を誇る吾妻山ですが、ロープウェイの整備によって初心者でも登ることが容易なのが特徴です。
ただし、厳冬期には状況は一変しますので、まったく別の山に挑むつもりでプランを変えましょう。