
北岳は山梨県にある南アルプスの山岳の一つです。間の岳・農鳥岳と共に白峰三山を構成します。
富士山に次いで日本では2番めに高い山であり、標高は3193mになります。
赤石山脈の盟主として登山人気も高く、平安時代の古今和歌集でもその名が登場し、古くから親しまれてきた山であることがうかがえます。
日本百名山・新花の百名山・山梨百名山に選定される名峰です。
この記事に書いてあること
北岳について・概要
北岳の山域は南アルプス国立公園に属し、非常に雄大な山容をしています。
山頂部の東側は「バットレス」と呼ばれ、主稜線を岩壁が支え持つような特異な構造をし、高さ600mにも及ぶ大岸壁が圧巻です。
この「北岳バットレス」はロッククライミングのメッカでもあります。
山頂は緑色岩類の地質で、南北の山麓から見上げるとピラミッドのような形状をしています。
登山の人気シーズンは?
日本で2番目に高い標高を持つ北岳ですが、意外に夏山の時期が長く、5月中旬から10月中旬まで安定した気候をしています。
人気シーズンは高山植物が開花し始める6月から8月いっぱいくらいが最盛期です。
山麓の樹林帯が色づく紅葉も見もので、冬あ始まる前に登山客が集中します。
知名度の高い山ということで、積雪期にもパーティを組んだ登山上級者が多く訪れます。
この山の魅力
北岳は日本でも屈指の標高があることから、展望の良さは抜群です。
登山ルートはバリエーションに富み、中腹までの大樹林帯や頂上付近の荒々しい岩場など、高山の魅力が詰まった山だといえるでしょう。
高山植物が素晴らしいことも北岳の人気の理由で、キンロバイやイワベンケイ、ハクサンイチゲなどが広範囲に群生して咲き誇ります。
また大樺沢の大雪渓も見どころの一つで、登山の際には見ておきたいビュースポットの一つです。
明治時代に近代登山が始まった頃から現在まで、話題から外すことができない山だといえます。
登山のレベル
北岳は傾斜もきつく、難所もかなり点在するので、登山レベルは上級者向けです。
森林限界を超えたあたりから岩屑が散らばるガレ場になり、大岩壁を丸太はしごなどでトラバースするポイントもあります。
ロッククライミングのような装備は必要ありませんが、初めての方はかなりの恐怖を感じるはずです。
体力はもちろん、危険度の高い登山道が多いため脚力・体力に自信のない人はルートプランを立てる際に慎重に考慮しましょう。
主な登山ルート
非常に多くの登山ルートが取れる北岳は、選択するルートによって難易度にも差が生じます。
技術・体力的に不可能になりリタイヤしないように、プラン作成の段階でしっかりとリサーチしておくことが大切です。
広河原~稜線縦走1泊2日ルート
広河原をスタートし、大樺沢二俣を経由、八本歯のコルへ登り、北岳山荘で宿泊。
2日目は中白峰→間ノ岳→中白峰→北岳と周回し、小太郎尾根分岐から白根御池小屋へと下り、広河原でゴールします。
北岳の上級者向けの見どころをすべて踏襲するルートです。
標高差2546m(登り)総距離18.7㎞、所要時間15時間になります。
広河原~北岳・間の岳・農鳥岳2泊3日ルート
広河原をスタートし、白根御池小屋で1泊目。
2日目は小太郎尾根分岐を通り、北岳肩ノ小屋から北岳へ登頂。
中白峰→間の岳を縦走し農鳥小屋で宿泊。
3日目は西農鳥岳→農鳥岳へ縦走、大門下降点から森山橋を通り農鳥岳登山口から奈良田でゴールします。
北岳の主要な峰をすべて縦走するロングルートです。標高差3039m(登り)総距離26.1㎞所要時間20時間になります。
冬山登山はできる?
北岳は冬でも登山ができます。
北岳は厳冬期ではかなりの積雪にはなるものの、平均して天気が良く快晴に恵まれることが多いのです。
北アルプスと比べると積雪量は少ないものの、登山客は南アルプスのほうが少なく、トレースが見られないこともあります。
ラッセルして進むことを前提において装備を準備しておきましょう。
山小屋情報
北岳にはたくさんの山小屋・避難小屋が設置されています。
登山ルートが長くなる傾向にあるので、拠点として抑えておくようにしましょう。
- 北岳肩の小屋
- 場所:北岳山頂直下
- 電話:055-288-2421
- FAX:055-288-2433
- 営業期間:6月中旬~11月初旬まで
まとめ
南アルプスの中でもとくに人気の高い北岳は、火山以外の山岳では最高峰となります。
登山経験を重ねていくうちに必ず登りたくなる山として、外せない山だといえるでしょう。