
鳳凰山は山梨県にある山岳の一つで、地蔵権現・観音岳・薬師岳の3つの山の総称です。最高峰は観音岳で標高2841m、南アルプスに属しますが主脈からは独立した位置にあります。
山梨県甲府盆地から望む鳳凰山の山容は非常に壮麗で、周辺に他の山岳が隣接していないことから全貌を明確に把握することができます。
山域は南アルプス国立公園に含まれ、日本百名山・新日本百名山・新花の百名山に選定されています。
この記事に書いてあること
鳳凰山について・概要
鳳凰山の山頂は森林限界上にあり、花崗岩と砂の山肌です。
地蔵岳の山頂は岩峰で鋭く尖った形状をし、オベリスクと呼ばれる侵食・風化をした先鋒が特徴的です。
山腹には滝が多く、精進ヶ滝・ドンドコ沢・南精進ヶ滝・白糸の滝・五色ヶ滝などビュースポットとして人気があります。
鳳凰山は石空川の源流であり、豊富な水源によって植物が非常に繁殖し、高山植物の大繁殖地帯が点在します。
登山の人気シーズンは?
鳳凰山の人気登山シーズンは夏山の5月中旬から8月の下旬ころまでです。
秋山は紅葉スポットとしても知名度が高く、ナナカマドやダケカンバなどが見事な紅色を表します。
積雪期が長く紅葉の時期は比較的短く、冬の訪れとともに一般登山客は一気に数を減らします。
この山の魅力
鳳凰山は山頂付近が森林限界上にあるので、非常に見晴らしが良いことが第一の魅力です。
山頂からは北・中央・南アルプスの峰々や富士山を一望することができ、気候のコンディションによっては幻想的な雲海を見ることもできるでしょう。
また、鳳凰山は自然あふれる山でもあり、広大な高山植物の花畑を始め、落差のあるスケールの大きな滝などを見て楽しむこともできます。
古くからある山岳信仰の痕跡として、賽の河原に石仏をたくさん安置されている風景も独特のものです。
登山のレベル
鳳凰山の登山レベルは中級から上級といったところです。
もちろん、選択する登山ルートによってかなり差もありますが、大きな石が散乱した頂上付近や、岩の地質の稜線を歩くのは疲れるものです。
標高が上がるにつれて徐々に傾斜がきつくなり体力が奪われることや、どのルートを選んでも総距離が長くなる傾向にあるので、日帰りよりは宿泊登山の方が初心者の方には向いているでしょう。
主な登山ルート
鳳凰山は登山口も多いことから登山ルートのバリエーションも豊富です。
自分の体力に合わせたルートを探しましょう。
青木鉱泉~縦走1泊2日ルート
青木鉱泉をスタートし、南精進ノ滝→五色ノ滝を経由し鳳凰小屋で1泊目。
2日目はアカヌケ沢ノ頭から観音岳へ登頂、薬師岳へ縦走し御座石を通って青木鉱泉へ戻ってゴールします。
標高差2126m、総距離15㎞、所要時間12時間半になります。
夜叉神峠~稜線縦走1泊2日ルート
夜叉神峠をスタート、杖立峠を経由し、苺平→南御室小屋から薬師岳小屋へ進み宿泊。
2日目は観音岳へ登頂、アカヌケ沢ノ頭を通り、鳳凰小屋→五色ノ滝→南精進ノ滝へ下り青木鉱泉でゴールします。
標高差2010m(登り)総距離18.4㎞、所要時間13時間半になります。
冬山登山はできる?
鳳凰山は冬登山も可能です。
野営もできるので、本格的な冬登山を楽しむことができます。
南アルプスの山の中では比較的降雪量も少なめですが、山麓で降っていなくても、山頂付近になるとラッセルが必要なほど積もっていることも少なくありません。
3000m級の山岳に違い標高があるので、冬山にアタックするときにはフル装備でいどむことをおすすめします。
できる限り単独登山は避けたほうがいいでしょう。
山小屋情報
鳳凰山にはたくさんの山小屋・避難小屋があります。
通年営業ではないところも多いので、事前にチェックしておきましょう。
- 鳳凰小屋
- 場所:ドンドコ沢
- 燕頭山登山道分岐
- 電話:0551-27-2018
- FAX:なし
- 営業期間:4月26日~11月26日(5月7日~6月4日、4月11日~5月26日は週末のみ営業)
まとめ
鳳凰山はアクセスが非常に良く、東京の新宿から1時間半ほどで行くことができます。
このアプローチの容易さも鳳凰山の登山人気が高い理由の一つであり、登山口の最寄り駅の甲府には、シーズンにもなるとたくさんの登山客の姿を見ることができます。