
蔵王山は単体の山や峰の名称ではなく複数の連峰の総称です。場所は宮城県と山形県の県境をまたぎ、熊野岳が主峰で1841mの標高を持ちます。
むき出しの山肌が荒々しい火山であり、エメラルドグリーンの火口湖を有し、幻想的な景観で人気があります。
この記事に書いてあること
蔵王山について・概要
蔵王山にはカルデラがあり、3万年前の噴火から現在までも火山活動が維持されています。
観光地としてもかなり親しまれ、トレッキングなどに訪れる人も多くいます。
新緑から紅葉、冬の時期まで見どころが多く名湯で知られる温泉地もあります。
ロープウェイも設置されているので比較的アクセスしやすい山でもあります。
活火山という危険性ははらんでいるものの、登山条件は決して悪くありません。
登山の人気シーズンは?
蔵王山の登山人気シーズンは5月下旬から11月中旬までと比較的長いのが特徴です。
もちろん積雪はありますが、最低気温をマークする日数もそれほど高くありません。
山岳植物が素晴らしく、とくに6月以降、順に花を咲かせはじめるので、それにともない登山客も増えていきます。
この山の魅力
蔵王山の魅力は、荒々しい火山ならではの景観と、豊富な植物群です。
とくに標高1000付近にある蔵王高原坊平は有名で、かつてこの山は山岳信仰の場であり修験道者が多かったことからこの名称がついたと言われています。
この一帯には遊歩道もあり、仙人沢や圧倒されるような絶壁など見る人を飽きさせません。
四季折々の植物・風景が楽しめるのも蔵王山登山の魅力です。
登山のレベル
蔵王山やアクセスの良いことや山道が整備されている理由で登山レベルはかなり低いといえます。
平均軽度も低く走行距離も短いので、体力もあまり必要とされません。
しかし、山頂付近の火山ならではのワイルドさも十分に感じ達成感もあります。
高い山に登れない登山初心者や体力に心配のある方でも、本格登山の気分があじわえる希有な山です。
主な登山ルート
蔵王山にはいくつかの登山ルートがあり、難易度の低いものから中級者向けのルートと使い分けることが可能です。
人気の高いルートを挙げておきます。
地蔵山~熊野岳~刈田岳ルート
蔵王山は頂上までロープウェイでアクセス可能です。
そこから一気に熊野岳・、刈田岳と縦走するルートです。
標高差281m、所要時間2時間と、体力のない人でも登山を楽しむことができます。
笹谷峠~雁戸山~熊野岳ルート
国道286号線の通る笹谷峠からスタートし、 雁戸山、熊野岳を経由するルートです。
このルートはかなり距離があるために初心者や体力に自信のない人には不向きかもしれません。
標高1688m、総移動距離17.9㎞、所要時間8時間半になります。
冬山登山はできる?
厳しい条件の多い東北の山岳の中で、蔵王山は最も冬登山に適しているといえます。
頂上までロープウェイでアクセスできるという好条件があることで、これまで冬登山に不安を感じていた人でも安心して冬山を楽しむことができます。
積雪期の蔵王山は「樹氷」が有名です。
最近では"スノーモンスター"の名称で若い人たちにも人気があります。
またロープウェイからのぞむ蔵王山の雪景色に感動し、リピーターとなる人も多くいます。
冬山登山を蔵王山で体験したい人は、危険度の少ないルートを選択しましょう。
山小屋情報
蔵王山には避難小屋が複数設置され、営業している小屋もあるので軽装で登山することができます。
- 熊野岳避難小屋
- 場所:熊野岳山頂
- 電話:023-641-1212
- FAX:023-624-8847
- 営業期間:通年(無人)
- 刈田岳避難小屋
- 場所:刈田岳山頂
- 電話:022-211-2821
- FAX:022-211-2829
- 営業時間:通年(無人)
まとめ
本格的登山からトレッキング、観光まで幅広く楽しめる蔵王山は、全国的に見ても知名度が高い理由はそこにあります。
ただし、蔵王山は小規模噴火を繰り返す活火山ですので、その点は事前にリサーチして最新の情報を知っておく必要があります。