
仙丈ヶ岳は長野県と山梨県にまたがって位置します。山域は南アルプス国立公園内にあり標高は3033m、小仙丈ヶ岳・本峰・大仙丈ヶ岳と複数の峰が山頂で連なります。
その美しい山容から「南アルプスの女王」と称されることもあります。
日本百名山・新日本百名山・花の百名山・新花の百名山・山梨百名山・信州百名山などに選定され、非常に評価の高い山でもあります。
この記事に書いてあること
仙丈ヶ岳について・概要
仙丈ヶ岳には氷河の侵食によってできたカールが3つあり、その面積が「千丈(千畳)」もの広さがあることが由来だという説があります。
カールにはそれぞれ小仙丈カール・藪沢仙丈カール・大仙丈カールと呼ばれます。
山容は穏やかなな場所と急峻な場所があり、冬季にはアイスクライミングのメッカとしても有名です。
南アルプスの各峰とは稜線で繋がり、駒ヶ岳からの縦走も可能です。
登山の人気シーズンは?
仙丈ヶ岳の登山シーズンは5月中旬から9月までの夏山に最盛期を迎えます。
険しい山道も多く、また高山植物が有名であることからも、最も安全で自然を感じられる夏山は登山適切期だといえます。
1980年に南アルプス林道が開通され、登山シーズンになると多くの登山客でにぎわう状態が続いています。
この山の魅力
仙丈ヶ岳は南アルプスの中でも屈指の標高の高さをほこる山であり、山頂は森林限界であることから非常に展望が良いことが魅力の一つです。
360度の大パノラマは北・中央アルプスの稜線が一望でき、富士山も大きくまさに大絶景です。
また仙丈ヶ岳は高山植物も有名で、オヤマノエンドウ・キバナシャクナゲ・イワウメ・ミヤマキンバイなどの群生が花畑を形成します。
梅雨明けには一気に開花し、幻想的な風景をで山腹を彩ります。
登山のレベル
仙丈ヶ岳の登山レベルは概ね上級者向けです。
なだらかな斜面のルートを選択すると、少し難易度は下がりますが、カールにある絶壁や沢のある箇所では初心者では歯が立たないほど。
キレットほどではないものの、稜線上はかなり山道も狭く滑落の危険性も捨てきれません。
初心者の方がルート選択をするときには十分な検討が必要になるでしょう。
主な登山ルート
仙丈ヶ岳には複数の登山ルートがあります。
西側の斜面を行くルートは難易度が高いので、自分の登山レベルや目的と照らし合わせて熟慮しましょう。
北沢峠バス停~仙丈ヶ岳ルート
北沢峠バス停からスタートし、大滝ノ頭を経由し小仙丈ヶ岳→仙丈ヶ岳と縦走します。
山頂から馬ノ背ヒュッテへ向かい、もと来たルートで戻り北沢峠バス停でゴールします。
標高差1215m、総距離9㎞、所要時間6時間半になります。
北沢峠~稜線縦走1泊2日ルート
北沢峠をスタートして双児山→甲斐駒ケ岳→駒津峰→仙水峰を縦走、仙丈小屋で1泊目。
2日目は仙丈ヶ岳へ進み、小仙丈ヶ岳から大滝頭を経由して北沢峠でゴールします。
標高差2360m、総距離17㎞、所要時間14時間になります。
冬山登山はできる?
仙丈ヶ岳は冬登山も可能です。
ただし、3000m級の山ですので、アタックするには最大限の装備と綿密なプラン作成、そして十分な冬山登山の経験が必要になります。
ガレ場や沢もあるので、積雪があるとかなり難易度が上がりますし、またカールの絶壁などは滑落の危険性が高いので、ルート選択からは除外するほうが得策です。
アイスクライミングを目的とする登山者以外は、より安全なルート選択を心がけましょう。
山小屋情報
仙丈ヶ岳には複数の山小屋・避難小屋があります。
最近、仙丈ヶ岳にあるすべての山小屋が予約制となっていることも覚えておきましょう。
- 仙丈小屋
- 場所:仙丈ヶ岳東150m、カール内
- 電話:0265-94-6001
- FAX:なし
- 営業期間:6月中旬~10月下旬
まとめ
南アルプスの山岳の中では登山客が多い仙丈ヶ岳。
この山で3000m級山岳の初体験をする登山者も多いようです。