
瑞牆山は山梨県に位置する標高2230mの山で、秩父多摩甲斐国立公園内に山域があります。奥秩父山脈に属し、この地域の山岳ではめずらしい花崗岩地質の山です。
ゴツゴツとした岩塊がむき出した独特の山容が特徴的です。
日本百名山に数えられています。
この記事に書いてあること
瑞牆山について・概要
瑞牆山は古くから山岳信仰の山としても知られ、山頂にある「弘法岩」と名付けられた岩があることから、弘法大師が開山したいう説も残ります。
瑞牆という難しい漢字を使っていますが、山名の由来は定かではありません。
その特異な山容からか、文学や歌にも度々登場します。
登山においては鎖場や岩道を行くことになり、アスレチック的な要素が強いといえます。
ロッククライミングのメッカでもあります。
登山の人気シーズンは?
瑞牆山の登山シーズンは新緑が出始める3月の中旬から9月中旬までの夏山、そして紅葉のシーズンも人気があります。
磨き山は高山植物の豊富さでもかなり有名なので、夏の季節に登山客の最盛期を迎えます。
そして、夏山が終わり紅葉が色づく頃に、短期間ピークがあるといった感じです。
平均気温が高く積雪期が短いので、1年を通して登山客の多い山でもあります。
この山の魅力
瑞牆山の最大の魅力は展望の凄さです。
中央アルプス、南アルプスの山脈が延々と続く様を見ることができます。
もちろん奥秩父なので富士山の展望も良いです。
緑のあるところでもところどころ巨大な岩がむき出し、他の山では見られない独特の野性味を感じます。
関東地方では数少ない岩山登山ができる山として、多くの愛好家がいます。
また富士見平は名水の地としても有名で、湧き水を求めて遠方から水を汲みに来る人もいるほどです。
豊かな水源を背景に、絶滅危惧種を含めた高山植物が豊富なことも瑞牆山の魅力ので、とくに6月頃に開花するアズマシャクナゲの花畑は壮観な眺めです。
登山のレベル
瑞牆山の登山レベルは中級程度です。
一家岩山なので難易度が高く感じますが、うまく山道が整備されていて、鎖場でも安全に登れるようにされています。
「アスレチックをしているよう」という感想をよく聞くように、岩山登山の練習に最適な山だともいえます。
ただし、ロッククライマーが好むような切り立つ絶壁もありますので、ルート選びは慎重にする必要があります。
そして、岩山登山で大切なことは「天候の確認」です。
晴れているときには安全な鎖場でも、濡れると状況が一変してしまうこともあるので、注意しましょう。
主な登山ルート
瑞牆山は登山途中の展望が良いことでも知られていますので、ルート選択も見られる景色で決める人が多いようです。
富士見平~瑞牆山頂ルート
瑞牆山荘をスタートし、富士見平を経由して瑞牆山頂に向かうピストンルートです。
富士見平は瑞牆山の中でもビュースポットが多いスポットで、この山の代表的なルートだといえます。
標高差965m、総距離5.9m所要時間5時間になります。
芝生広場~瑞牆山頂周遊ルート
芝生公園をスタート、不動滝から山頂を超えて富士見平を経由して芝生公園へ戻るルートです。
瑞牆山の西側を周遊する経路になります。
とくに岩場が多く、沢もある難易度が高まるルートでもあります。
標高差1054m、総距離9㎞所要時間6時間になります。
冬山登山はできる?
瑞牆山は冬登山も可能です。
元々荒々しい岩山で神秘的な雰囲気を持つ山ですが、雪が積もるとさらに景色が素晴らしくなります。
厳冬期でもそれなりの冬装備をしていれば登山は可能で、記録的な天候の荒れがないかだけをチェックしておきましょう。
脚力や岩場を渡る経験が少ないと危険なポイントもあるので、冬山では鎖場が少ないルートを選択することが大切です。
山小屋情報
瑞牆山には複数の山小屋が設置されています。
ここでは代表的な小屋を挙げています。
- 富士見平小屋
- 場所:金峰山
- 瑞牆山分岐 富士見平
- 電話:0551-45-0600
- FAX:なし
- 営業期間:4月初旬~11月末、年末年始、冬季要予約
まとめ
巨石・奇石であふれる瑞牆山は個性が強く、他の山に登るときとは全く違う印象を受けます。
岩山を克服して山頂に到着したときの喜びは大きく、新たな登山の楽しみを知ることになるでしょう。