金峰山

金峰山は山梨県と長野県にまたがる山で、別名、甲州御岳山とも呼ばれています。奥秩父山塊の主線上にあり、山域は秩父多摩解雇奥率公園に属しています。

千曲川・釜無川の源流でもあり、豊富な水資源を持つことで土地が肥え豊かな自然環境が形成されています。

金峰山は古くから信仰の対象となる山で、山頂の金峯神社にて蔵王権現を祀ってあることが山名の由来になっています。

標高2599m、日本百名山・新日本百名山・花の百名山に選定された美しい山です。




金峰山について・概要

金峰山と文化の関わりは深く、雄略天皇によって開山させたという伝承や大和武尊が鎧を収めたなどの神話もあり、古くから神聖な山として親しまれてきました。

また金峰山は水晶の採掘が明治時代まで行われてきたということもあり、繁栄してきました。

歴史書にも記述が残っていることからも、当時花開いた文化を垣間見ることができます。

現在までもその痕跡は随所に残り、登山客の目を楽しませています。

登山の人気シーズンは?

金峰山の登山シーズンは新緑の出る3月中旬から紅葉が終わりを告げる10月中旬頃までになります。

それを超えると一気に気温が下がり冬山の装いとなります。

水資源が豊富な金峰山は高山植物の巨大繁殖地でもあり、咲き乱れる花畑を目的にやって来る登山者で賑わいます。

山頂に多くの参拝者を受け入れる金峰山神社があることで、祭祀のあるときにも登山客が増えることがあります。

この山の魅力

金峰山は非常に人気が高く、たくさんの魅力があります。

金峰山で最も有名なビュースポットが「五丈岩」です。

2000年前に誰かが運んで積み上げたといわれる、高さ15mもある磐座で、この山の神秘性をより一層高めています。

頂上に鎮座する金峰山神社や、山道に点在する祠の数々など、霊山の片鱗をそこかしこに見つけることができます。

森林限界である稜線の見晴らしの良さも素晴らしく、頂上からの展望も大迫力。

山頂からは富士山を視界に収めることができます。

高山植物も豊富で、植物愛好家の興味を惹きつけます。

登山のレベル

金峰山の登山レベルは、選択するルートによって差異があります。

金峰山には鎖場が点在、またゴロゴロとした岩場を歩くことも少なくありません。

アスレチック的な要素が強く、体力に自信のない人は断念してしまうこともあるでしょう。

滑落・墜落事故が多いのも金峰山の特徴なのです。

主な登山ルート

金峰山は古くから人の往来が盛んな山だったことから、登山口・山道が多くルートバリエーションも豊富です。

また現在でもっ山頂の金峰山神社への参拝者がいます。

参拝者のために交通は整備されていて、アクセスも抜群です。

大緩峠~金峰山頂ルート

金峰山東側にある大緩峠からスタートし、朝日岳、金峰山頂に到着、そのまま同じ山道を下ってゴールします。

傾斜も穏やかで難所も少ないので、初心者・中級者向けのルートです。

標高差570m、総距離8.2㎞所要時間4時間半になります。

瑞牆山荘~金峰山頂ルート

瑞牆山荘からスタートし、富士見平を経由して金峰山頂に登り、同じルートをたどって戻るピストンルートです。

ビューポイントの多いこのルートは難易度は高いものの、非常に人気があります。

標高差1195m、総距離11㎞、所要時間8時間になります。

冬山登山はできる?

金峰山は冬登山も可能です。

古くから山岳修行の上級者では冬にも登っていたようです。

ただし、距離の短いルートにも必ず岩道や鎖場はあり、また雪のために地盤が緩くなり滑落・転倒の危険性が増大します。

夏登山で余裕で踏破できるくらいのレベルの方以外は、冬に登るのは危険です。

金峰山のある一帯は豪雪地帯ではありませんが、2599mという高い標高の山は、平地とは別世界であるということを知っておく必要があります。

山小屋情報

金峰山にはたくさんの山小屋があります。

長いルートを選択した場合などには利用価値も高いので、いくつかチェックしておくお便利です。

  • 金峰山小屋
  • 場所:金峰山山頂北西400m
  • 電話:0267-99-2030
  • FAX:なし
  • 営業期間:4月中旬~11月下旬までと年末年始

まとめ

何かと魅力が多く、上信越などの高山とはまた違った魅力にあふれる金峰山。

建物や人工物が多いと油断してしまいがちになりますが、魅力とともに難所も多い山であることを再認識しておきましょう。