甲武信岳は山梨県・最ため券・長野県をまたいで位置する山です。標高は2475m、奥秩父連峰を代表する山岳であり、高い登山人気があります。
日本百名山に選定され、千曲川・荒川・笛吹川の源流があり、緑の深い自然環境を持ちます。
奥秩父連峰の中ではほぼ中央に位置します。
この記事に書いてあること
この山について・概要
甲武信岳の山名は、山域が重なる地域名「甲州・武州・信州」の頭文字を合わせたという説が有力ですが、定かではなく、尾根が寄り集まって人の拳に似ていることが由来ではないかという説もあります。
水源に恵まれシラベやダケカンバなどの原生林が深く、多くの高山植物の繁殖域でもあります。
秩父多摩甲斐国立公園に属しています。
江戸時代には信濃と武州、江戸をつなぐ経路がここにあり、それらが交差する「十字峠」があります。
登山の人気シーズンは?
甲武信岳の登山シーズンは、雪が溶け始める3月の下旬ころから紅葉が終わりを告げる11月の中旬頃までがピークです。
夏には高山植物が咲き乱れることから、大型連休を利用した登山客であふれます。
積雪期は短く一年を通して登山を楽しむことができます。
5月6月のシャクナゲのシーズンには、それ目当ての登山客が多く訪れます。
この山の魅力
甲武信岳の魅力は その展望の良さです。
奥秩父の中央にあることから、周辺にある日本百名山のうちの43座をすべて視界に入れることができる、大パノラマです。
また、甲武信岳から見えることができる富士山は特段美しく、威風堂々としたその佇まいは日本画を彷彿とさせます。
甲武信岳は高山植物でも有名です。
シャクナゲやウメバチソウなど希少な植物が季節ごとに大きな花畑を形成します。
登山のレベル
甲武信岳の登山レベルは、選択するルートによって大きな差がでますが、中級から上級くらいだと思っていいでしょう。
河川の源流があることから、渓流瀑や沢沿いの山道を通るルートでは滑りやすく怪我の危険性もあります。
また傾斜がきついポイントも点在するので、ある程度の脚力・体力が必要になります。
山道はほぼ林道になり、整備の行き届いていない場所もあるので全くの初心者では辛く感じてしまうかもしれません。
主な登山ルート
深い森林に覆われた甲武信岳は、山道自体が限られています。
往復ルートが基本になります。
毛気平登山口~甲武信岳山頂ルート
毛気平登山口をスタートしてナメ滝を通り千曲川・信濃川水源地評を通過して甲武信岳山頂に向かい、元に戻るルートです。
森林を抜ける、非常に清々しさを感じる山道です。
標高1115m総距離16㎞、所要時間6時間半になります。
西沢渓谷入口~甲武信岳1泊2日ルート
山梨県側からの西沢渓谷入口からスタートして新道分岐を超え甲武信小屋で1泊目。
2日目に甲武信岳山頂に到達し、もと来たルートで戻りゴールします。
山梨県側のルートは、途中まで道路が舗装されていて歩きやすいのですが、距離が長いために山頂到着前くらいで1泊します。
距離14.3㎞、所要時間9時間半になります。
冬山登山はできる?
甲武信岳は冬登山もできます。
幕営が可能なので、宿泊登山をしキャンプを楽しむ登山者も多くいます。
夏場のシーズンでは登山客は多いですが、冬は貸切状態になることがあるほどです。
アイゼンや防寒着などの冬装備は必須です。
平均気温のはあまり低くない山ですが、時期によって携帯している飲料がザックの中で凍ってしまうほど凍てつくこともあるので注意しましょう。
山小屋情報
甲武信岳には多くの山小屋があります。
一本道の長い登山ルートが多いので、エスケープルートも確保することが難しくなります。
体力的にきつくなったときなどに利用しましょう。
- 甲武信小屋
- 場所:甲武信岳南東200m地点
- 電話:090-3337-8947
- FAX:なし
- 営業期間:4月下旬~11月下旬
まとめ
奥秩父の豊かな自然を体験できる甲武信岳登山は、みずみずしいばかりの森林を抜ける魅力的な山です。
山頂からの展望は登山愛好者なら一生に一度は目に収めておきたい絶景です。