
両神山は埼玉県の北秩父に位置します。奥秩父山塊に属し標高は1723m、三峰山、武甲山とともに秩父三山として親しまれています。
山名となる"両神"は、「イザナギ・イザナミの神」を祀ってあることが由来で、日本武命の伝承が残るなど、古くから信仰の山として知られています。
日本百名山の一つです。
この記事に書いてあること
両神山について・概要
両神山は周辺の高山に埋もれていますが、山頂付近の鋭利な鋸歯のような形状のおかげで遠くからでも認知しやすいフォルムです。
古くから霊山として開かれた山であることから山道も充実しています。
山中と麓の神社は現在でも参拝者が多く、登山のおりに向かわれる登山客もおられます。
両神山は関東でも屈指の人気の高い山で、高山植物の開花や紅葉、大型連休などのときには山中で渋滞が起きることも少なくありません。
頂上は狭く多くの登山客がごった返すこともあります。
登山の人気シーズンは?
両神山は天候が穏やかな山であり、3月中旬くらいから登山客の姿を見ることができます。
5月の新緑から8月下旬くらいまでが花期になり、花の開花に合わせるように登山客が訪れます。
紅葉の時期は遅く10月下旬くらいから徐々に色づき始めます。
積雪期は短く1月~2月と長くはありません。
この山の魅力
両神山の魅力はなんといっても花の美しさを堪能できるところです。
春のアカヤシオ、ミツバツツジなどの開花が始まると、山の雰囲気を一変するほど素晴らしい光景が広がります。
新緑や紅葉の素晴らしさも両神山の魅力です。
また荒々しく切り立つ岩の壁も見どころの一つで、鎖場も多くあります。
霊山ということもあってか七滝沢は神秘的に感じ、山道のいたるところに点在する祠は手入れをされ威厳を漂わせます。
登山のレベル
両神山は獣道のような山道も多く鎖場などの難所も点在するので、登山レベルは上級クラスです。
霊山にありがちな、自然のままの状態を残したような山道は非常に滑りやすく、実際に事故や怪我が多く発生しています。
とくに天候が悪いときや、残雪が残る時期などは注意が必要です。
両神山には複数の登山ルートがあるので、自分のレベルに合わせた無理のないルート設定が大切です。
主な登山ルート
両神山の代表的な登山ルートは鋸状の各峰の縦走になり、コースバリエーションはそれほど多くありません。
代表的なものを見てみましょう。
上落合登山口~八丁尾根ルート
上落合登山口からスタートし、八丁尾根を進んで稜線上に到着、各峰の縦走をするルートです。
西岳→東岳→前東岳→剣ヶ峰を経てピストンします。
鎖場が多い上級ルートです。
標高差548m総距離5.5㎞所要時間6時間になります。
日向大谷口~両神山ルート
日向大谷口をスタートし、薄川沿いを進むルートです。
会所を経て両神神社、両神山へ登頂し同じルートを戻ってゴールします。
標高差1093m総距離8.9㎞、所要時間6時間になります。
八丁尾根を進むルートよりも難所が少なく初心者向けです。
冬山登山はできる?
両神山は冬登山もできます。
積雪量はそれほど多くはなく、また人気ーズンのような混雑も避けられるために冬山に登る人もかなりいるようです。
ただし、登山ルート自体は危険度を増します。
夏山でも上級者向けルートが多い山ですので、初心者や体力・脚力が不足していると思われる方は危険です。
山頂を含むどの山道でも滑落への十分な注意が必要です。
山小屋情報
両神山には山小屋があります。
登山ルートの拠点として利用しましょう。
- 清滝避難小屋
- 場所:日向大谷から徒歩2時間程度(標高1280m地点)
- 電話:0494-23-1511
- FAX:0494-23-6679
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
霊山として栄え、どこか厳かな雰囲気を持つ両神山は、きびしくも美しい自然溢れた山です。
林道なども整備が行き届いていない部分も多くあるので、危機管理をしっかりとしながら登りましょう。