
仙台に住む友人が山登りをしたいというので、初心者でも手軽に登れる蔵王山に行ってきました。
山形出身であるわたしと友人にとって、蔵王は子どもの頃から何度も行っている山。
ただし、車やロープウェイで行っていたので、「登る」というよりは「行く」でした。
友人の登山ライフ、デビューは地元の百名山がいい。
そんな思いで行った蔵王山登山です。
この記事に書いてあること
登山データー
登山日付 | 2017年10月20日 |
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天候 | 雨 |
最低気温 | 0℃(山頂) |
最高気温 | 8℃(山頂) |
標高差 | 約408m |
トータル時間 | 6時間 ※休憩:1時間 |
ルート | 大黒天(10:00)→刈田岳山頂(11:00)→熊野岳山頂(12:00)→熊野岳避難小屋(12:10-12:40)→県営レストハウス(13:10-13:30)→大黒天(14:10) |
主な服装・持ち物
- ザック:North Face・30L
- シューズ:MAMMUT
- 服装:半袖、長袖インナー、長ズボン
- レインウェア上下
- フリース
- ダウン
- キャップ(ゴアテックス)
- 手袋(防水用の厚いもの)
- 温泉セット
- 行動食(じゃがりこ、クッキー、キャラメル)
- 昼食(カップヌードル)
- バーナー
- クッカー
- 飲みもの2.5L(昼食用のお湯を含めて)
蔵王山はどんな山?
蔵王山は、山形と宮城にまたがる連峰の総称で、日本百名山です。
山梨県と静岡県がそれぞれ「富士山は自分の県のもの」と思っているように、蔵王も山形県と宮城県がそれぞれ「自分のもの」と思っている節があります(あくまでも個人の見解です)。
宮城県のひとは、「宮城蔵王」と言ったりもするようです(友人談)。
熊野岳が主峰で、標高1841mです。刈田岳と熊野岳のあいだには、エメラルドグリーンを彩るお釜があります。
刈田岳までは車で行けるので、観光客で賑わいます。
刈田岳から熊野岳までは、平坦な道を1時間ほど歩けば着くので、「手軽に登れる百名山」としても人気の山です。
山形県側の麓には蔵王温泉があります。
ちなみに、「スノーモンスター」といわれる樹氷で有名なエリアは蔵王温泉近くから出ているロープウェイに乗ります。
主峰の熊野岳に行くルートは四方に広がりたくさんあります。
山形駅、仙台駅からバスも出ていますが、どちらからも時間がかかるうえに本数が少ないので、アクセスが良いとは言い難いです。
まずは、山形県側から入るか、宮城県側から入るか。
今回は、仙台駅で友人と待ち合わせ、友人の車で向かったので、仙台側から登ることにしました。
前日移動:東京~仙台は高速バスが便利!【東京→仙台】
今回のルートは、新幹線で始発で行っても十分登ることができるルートです。
しかし、新幹線で行くと片道10000円ちょっとなので、結構かかりますよね。
東京~仙台は高速バスが便利です。需要が多いので、バスの種類もたくさんあります。
今回は、金曜日に登るプランだったので、往路は木曜日の夜に東京を出発。
復路は金曜日の夜に仙台を出発でした。
少し贅沢をして独立3列シートにしました。
(いつもはゆったり4列シートを利用しています)
往路は2700円、復路は6400円でした。
高速バスは一括で検索できるこちらのサイトがおすすめです。
《バス比較ナビ》
https://www.bushikaku.net/
このサイトはいろいろなバス会社を一括で検索し、選んだバス会社のサイトにとんで予約できるようになっています。
また、楽天が運営する高速バスサイトは、クーポンを使うとかなりお得になる場合があります。
そのため、楽天クーポンは日々チェックしています。
楽天も一括でいろいろなバス会社を検索することができますが、予約は楽天サイトで行なうので楽天ポイントが貯まります。
《楽天高速バス》
https://travel.rakuten.co.jp/bus/
バスの種類が多いのは《バス比較ナビ》です。
《楽天高速バス》と比較すると、最安が数千円違うこともあります。
なので、まずは《楽天高速バス》で使えるクーポンとバスを探し、そのあと《バス比較ナビ》を見てみて、安い方で予約することにしています。
少し面倒でケチ臭いですが、他にも行きたい山はたくさんあるので、少しでも安く行くことは私にとってかなり重要なことなのです!
ここで注意点がひとつ。
高速バスは早朝に着くので、時間を潰す場所を探しておくことが重要です。
地方は早朝に時間を潰せる場所がないところもあります。
ちなみに、山形駅は6時から入れる駅の待合室以外、時間を潰せる場所はありません。
仙台駅は周辺に漫画喫茶がいくつか、駅前にマクドナルドがあります。
今回の夜行バスは5時10分着で、待ち合わせが8時だったので漫画喫茶とかなり迷いましたが、より安いマクドナルドで時間を潰しました。
【大黒天→刈田岳山頂】(所要時間:1時間)
朝5時、バスが仙台に着いたときからすでに小雨でした。
予報だとお昼頃から曇りになるとのこと。
8時に友人と待ち合わせてどうするか聞いたところ、「登りたい」と。
わたしは雨登山も嫌いではないので構いませんが、初めての山登りが雨って・・・
とりあえず登山口に行って様子を見てみようということになりました。
仙台駅から登山口がある大黒天駐車場までは1時間半かからないくらいです。
駐車場に着いたとき雨は止んでいましたが、今にも降りだしそうな空です。
景色は絶対望めません。
友人がそれでもいいということなので、蔵王山登山決行です。
レインウェア、ゲイター、手袋、ネックウォーマーを装着して出発です。
登山口の大黒天で、すでに標高は1432mです。
最初に出てくる刈田岳は1757mなので、標高差は約300m程度です。
登山口を進むとすぐ、階段が出てきます。
階段を上りきると少し傾斜がついた登山道を進みます。
緩やかな道を30~40分歩くと、あっという間に刈田岳山頂です!
山頂には、刈田嶺神社があります。
ここまでは車で来れますが、宮城県側からは行きにくいです。
真っ白で何も見えないけれど、標識がご立派なのでとりあえず1枚。
実は、雨登山も結構楽しいものなのです。
雨の山の独特なにおいや、ひとを寄せ付けない神聖な雰囲気、普段は耳を澄ますことのない雨の音などに心を寄せます。
とはいえ、11月の雨の蔵王山は身体の芯から体温を奪われていきます。
写真だけ撮って、熊野岳に向かいました。
【刈田岳山頂~熊野岳山頂】(所要時間:1時間)
強風の中の「馬の背」歩きは踏ん張りながら・・・刈田岳山頂から5分ほど歩くと、県営のレストハウスがあります。
行きは寄らずに熊野岳山頂を目指しました。
レストハウスを超えると、「馬の背」と呼ばれる尾根にでます。
右手にはエメラルドグリーンの「お釜」があるのですが、今回は真っ白でどこにあるのかすらわかりませんでした。
蔵王山の登山の目的のひとつにお釜を見るというひとが多いのではないでしょうか。
そういうひとはぜひ晴れた日に。
ちなみに、ふだんはこんなきれいな色です!
「馬の背」は遮るものがなく、普段はとてもきれいな景色だそうです。
ということは、強風のときはまともに風を受けるという・・・
真っ白で何も見えないなか、ごうごう言ってる風に飛ばされないように進みます。
ひとはこんな非日常なプチ危険に晒されたとき、テンションが上がるようです(笑)
リアルドラクエをやっている気分になるんですね、きっと。
(ちなみに命の危険を感じるくらいのときは硬直します)
馬の背を50分ほど歩くと、熊野岳避難小屋が出てきます。
ここから山頂までは、登山道の雰囲気が変わります。
大きな岩が一面にゴロゴロ転がっています。
晴れていたら登山道もはっきり見えるのかもしれませんが、この日は登山道なのかどうなのか分からず。
とりあえず道になってそうなところを進みました。
10分ほど歩くと、熊野岳に着きました。
蔵王山の最高峰です!
とはいえ、真っ白で何も見えず。写真だけ撮って1分で退散です・・・
熊野岳避難小屋に引き返してお昼ごはんにしました。
今日が山デビューの友人、山でカップラーメンを食べてみたいというので、バーナーでお湯を沸かします。
登山をしていないひとから見ると、これだけでも「かっこいい!」らしく、ただお湯を沸かしてカップラーメンなのに照れちゃいますね。
雨に濡れて寒かったので、この日のカップラーメンは身体が温まって最高に美味しかったです。
カップラーメンを食べていると、ご夫婦が入ってかきました。
百名山踏破を目指して関西からわざわざいらっしゃったのにこの雨で何の景色も見えなかったとのこと。
お気の毒に、と思いながらもこんな雨の中でも来ちゃうなんて山狂いだよね~と思ってしまいました(ひとのこと言えない)。
【熊野岳山頂~大黒天】(所要時間2時間10分)
地蔵岳断念、勇気ある撤退を・・・当初は地蔵岳まで行く予定でしたが、雨で身体が冷えてしまったので、地蔵岳は断念して引き返すことにしました。
ひとりだったら行っていたかもしれません。
しかし、山は進む勇敢さより引き返す勇気のほうが100倍大事。
大黒天へ引き返します。
ルートは同じですが、雨も風もますます強くなり、お互いの声も聞こえないほどです。
行きは少し危険なこの状況にスリルを感じてテンションが上がっていましたが、帰りはびしょ濡れなのと寒いので無言でした。
途中のレストハウスでトイレ休憩をし、びしょびしょになりながらも大黒天へ到着でした。
友人にとってはじめての登山がこれで嫌にならないかしらと心配でしたが、「楽しかった」と。
これで楽しいなら何があっても大丈夫だなとこれから一緒に登るのが楽しみになりました。
蔵王温泉 日帰り湯のおすすめ
下山後は、蔵王温泉に直行しました。
車で蔵王温泉の入り口を入るとすぐ出てくるのが「湯の花茶屋 新左衛門の湯」です。
蔵王温泉は開湯1900年と言われ、山形県内では最も古い温泉です。
(ちなみに、山形県は全市町村に温泉が沸いてます)
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉です。
新左衛門の湯は大きくて新しめできれいな施設です。
温泉が好きで、蔵王温泉の風情を楽しみたいという人は満足しないかもしれません。
わたしは大きくてきれいな温泉が好きなので、蔵王温泉に来るといつもここです。
大きいロッカーもあり、30Lのザックが入れられるのもうれしいところです。
料金は大人750円、子ども400円です。
「湯の花茶屋 新左衛門の湯」HP
https://zaospa.co.jp/
まとめ
今回は、雨と強風のなか無理やり決行してしまいましたが、本当は行かないという選択をするべきでした。
「せっかく来たんだから」というのが山でいちばん思ってはいけないことだと思いました。
初心者でも登れる手軽な山でも、天気が悪いときは容赦なく危険に晒されます。
友人が喜んでくれてよかったと思う反面、反省した山行となりました。