
「魔の山」と称される谷川岳。まだ登山を始めてない頃に読んだ『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫 著)を読んで、なんとなくの憧れを持っていました。
登山をはじめてかなり有名な山だということが判明。本書に出てくる衝立岩にはもちろん行けませんが、雰囲気だけでも、と思い登ってみることにしました。
今回は、行きはロープウェイを使い、帰りは西黒尾根から下りるコースで行きました。
この記事に書いてあること
コースルート・タイム
自家用車で行きました。
帰りの西黒尾根はなかなかの急坂と聞いていたので、上りで時間を稼ぎ、下りは余裕を持っておりられるようにしました。
登山データー
登山日付 | 2015年11月1日 |
---|---|
天候 | 晴れ |
最低気温 | 2℃(山頂) |
最高気温 | 6℃(山頂) |
標高差 | 1231m(ただし、天神平駅(標高1319m)までロープウェイで行くので実際は658m) |
トータル時間 | 7時間 |
ルート | 天神平(8:30)→熊穴沢避難小屋(9:20)→トマノ耳(10:40)→オキノ耳(10:50-11:10)→トマノ耳・お昼ごはん(11:20-12:00)→ラクダのコル(13:00)→登山口(15:30) |
主な服装・持ち物
- ザック:North Face・30L
- シューズ:MAMMUT
- 服装:半袖、長袖のインナー、長ズボン
- レインウェア上下
- フリース
- キャップ(ゴアテックス)
- 手袋
- 行動食(じゃがりこ、ドライマンゴー、クッキー)
- 昼食(カップヌードル)
- バーナー
- 飲みもの1.5L(昼食用の水含む)
谷川岳はどんな山?
谷川岳は群馬と新潟の県境にあり、標高が1977mの日本百名山です。周囲の山を含め谷川連邦といいます。
山頂がふたつあり、トマノ耳(標高1963m)、オキノ耳(標高1977m)と呼ばれています。
オキノ耳の方が標高は高いですが、三角点はトマノ耳にあります。
「トマノ耳」?「オキノ耳」?なにそれ?
調べてみたら、沼田市やみなかみ町方面から見ると、ネコの耳に見えて、「トマ」(手前という意味)と「オキ」(奥という意味)と言うからだそうです(諸説ありそうです)。
ベテラン風のひとたちは「トマオキ」とくっつけて呼んでいました。
谷川岳は、ロープウェイでピストンする初心者向けのコース、西黒尾根ルートから行く健脚向けのコース、一ノ倉沢から岩壁を登るクライミングのコースなど、バラエティに富んでいます。
ロープウェイがあるとなんとなく気が楽になりますね。
天神平やその上の天神山までロープウェイで行けるので、登山客だけでなく、観光客も絶景が楽しめます。
また、10月中旬から下旬にかけて紅葉シーズンとなり、美しさが増します。
(登山者も観光客も増します。)
実は「遭難死者が世界一多い山」としてギネス認定されている谷川岳は、「魔の山」とも呼ばれていますが、子どもや初心者でも登れるルートがあり、誰でも受け入れてくれる懐の広い山だと個人的には思っています。
登山レベル
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谷川岳のアクセス
谷川岳には複数のアクセスがあります。今回私は自家用車で行きました。その他のアクセスや交通などもご紹介します。
マイカーの場合
今回は自家用車で行きました。
関越自動車道水上ICで降りて、水上/谷川岳方面の国道291号に向かって進む
小仁田(交差点)を左折、国道291号に入る
川上(交差点)を左折、国道291号をそのまま進む
駐車場について
谷川岳は観光地だけあって、駐車場は1500台停められます。
これだけ広いと、極端に朝早く行って駐車場のスペース確保をしなくて済むので安心です。
公共交通機関での行き方
谷川岳への公共交通機関での行き方。所要時間と料金はこんな感じです。
(東京駅から出発、土日でいちばん早い時間に谷川岳ロープウェイに着くというのが前提)
最寄り駅(土合駅)まで新幹線と電車で
東京駅→(JR新幹線とき)→高崎駅→(JR上越線)→水上駅→(JR上越線)→土合駅→(徒歩)→谷川岳ロープウェイ
※注意※
土合駅は「日本一のモグラ駅」と呼ばれていて、ホームから改札口まで462段あります。
まずこの階段で疲れそう・・・
約10-15分かかります。
- 《到着時間》8:37
- 《所要時間》約2時間45分
- 《料金》5590円
【最寄り駅(土合駅)まで電車で】
東京駅→(JR山手線)→上野駅→(JR高崎線)→高崎駅→(JR上越線)→水上駅→(JR上越線)→土合駅→(徒歩)→谷川岳ロープウェイ
- 《到着時間》8:37
- 《所要時間》約3時間51分
- 《料金》3080円
【上毛高原駅からバス】
東京駅→(上越新幹線)→上毛高原駅(7:53着)→(バス8:04発、「谷川岳ロープウェイ」行きのバスで約50分)→谷川岳ロープウェイ
- 《到着時間》8:49
- 《所要時間》約2時間20分
- 《料金》6740円(新幹線5490円+バス1250円)
【水上駅からバス】
東京駅→(JR新幹線とき)→高崎駅→(JR上越線)→水上駅(6:58着)→(バス8:29発「谷川岳ロープウェイ」行きのバスで約25分)
- 《到着時間》8:49
- 《所要時間》約2時40分
- 《料金》6740円(新幹線5590円+バス760円)
※東京駅→水上駅の新幹線と谷川岳ロープウェイ行きのバスの接続は悪く、水上駅で約1時間半待ちます。
谷川岳登山口まで
紅葉シーズンだったので、ロープウェイ始発(8:00)に乗れるように、谷川岳ロープウェイの駐車場に着きました。
すでに多くのひとがいましたが、ロープウェイは約3分間隔で乗れるので10分も待たなかったです。
ロープウェイ情報
- 《営業時間(4月~11月)》8:00-17:00
- 《所要時間》約15分(最速7分)
- 《料金》片道:1250円 往復:2100円
- 《その他》約3分間隔で発車
- 《URL》http://www.tanigawadake-rw.com/index.php
ロープウェイの終着駅である天神平の時点ですでに絶景でした。観光客で賑わう理由もわかりますね。
ここに来るだけでも充分満足できそうな景色です。
ただし、11月は気温もかなり低いですし、風が吹くと体感気温はさらに下がるので、ロープウェイに乗る前からしっかり防寒をしたほうがよさそうです。
天神平で景色を眺めながら登る準備を整えて、いよいよ出発。
天神平→熊穴沢避難小屋(所要時間50分)
天神尾根を歩きます。登山道はきれいに整備されていて、木道を歩きます。危険個所はほとんどありませんが、木道に積もった雪が凍っていて少し怖かったです。
この木道以外は雪はなかったです。
木道は序盤だけですが、天神平から熊穴沢避難小屋の標高はほぼ変わらず、穏やかな道を歩きます。
時折見える山々が美しいです。さくさくと熊穴沢避難小屋に到着。熊穴沢避難小屋は無人の小屋です。
熊穴沢避難小屋→トマノ耳(所要時間1時間20分)
熊穴沢避難小屋からはようやく登山らしく、急坂になり、ロープを使って登る道も出てきます。
シーズン中は渋滞するようですが、今回はそこまで多くなくて、自分のペースで登れました。
途中、使わなくても登れてしまいますが鎖場もあるので、マイペースを保てるのはありがたいです。
登り坂が30分くらい続いたあと、展望が拓けてきます。避難小屋から40分ほどで【天狗の溜まり場】へ到着。
特に何という場所ではないのですが・・・
なんで【天狗の溜まり場】というのかは調べても出てきませんでしたが、うん、天狗たちが出てきそうな場所ではある (笑)
スペースも広くないのでスルー。
【天狗の溜まり場】を抜けると、心地よい景色が眼前に広がりました。
こういう尾根道を歩くのはいつだってテンション上がります。
山頂の手前にある肩の小屋に着きました。
お昼までは時間もあるので、水分補給のため少しだけ立ち止まって山頂を目指しました。
肩の小屋はトイレもあります。
5月から11月までは有人の小屋で、食事つきの宿泊ができるそうです。
- 【谷川岳 肩の小屋HP】
- http://www.minakami-onsen.com/tanigawa.php?itemid=198
肩の小屋からトマノ耳まではすぐそこ。
穏やかな道で景色もすばらしく、気持ちよく山頂に向かえるのが最高です!
トマノ耳⇔オキノ耳(所要時間往復20分、戻ってきてトマノ耳でお昼ごはん)
お昼ごはんを我慢して、もうひとつの山頂、オキノ耳を目指します。
尾根道の左右は展望が拓けて、絶景を見ながらオキノ耳を目指せるのがいいですね。
オキノ耳到着!
お天気はよかったですが、風は結構強かったので、フリースを着ました。
美しい景色を眺めながら、少しボーッとしてトマノ耳に戻りました。
お腹も空いたし身体も冷えたしで、お昼ごはんが待ち遠しくて仕方ない!
カップヌードルを食べてエレルギーチャージ。
トマノ耳→ラクダのコル(所要時間1時間)
分岐まで戻り、日本三大急登のひとつ西黒尾根ルートから下りました。
結論からいうと・・・
西黒尾根ルートは下るもんじゃない!!
上りもかなり大変だとは思いますが、急登の下りは気が抜けない上に時間がかかります・・・
西黒尾根ルートで上り、ロープウェイかロープウェイなしの田尻尾根で下りるほうがよいと下ってきてから思いました。
ザンゲ岩までは景色もすばらしく、気持ちよく歩けたのですが・・・そんな余裕もほんの一瞬。
急に岩場、からの鎖。
手や足をかけるところはあるので、難易度は高くはないですが、ラクダのコルまでで腕の筋肉を消耗しました。
ラクダのコル→登山口
ラクダのコルを通過し、いくつかの鎖場を抜けると、樹林帯になります。岩場の下りより樹林帯の下りのほうがきつかったです。
岩場は危険を伴いますが、アトラクション的な感覚でやり過ごせます。が、樹林帯の急坂は単調なのに気が抜けない・・・
西黒尾根の下りはこれが約2時間くらい続きます。
(今回は2時間半かかりました。)
また、長い急坂は精神的にきます。
一生懸命下りているのに中々進まない。どこまで単調な下りが続くのか見通しが立たない。
コースタイムが長いから、話をしながら下りたいがそんな余裕がない。というわけで、黙々と、粛々と下りました。
ようやく登山口に着いたとき、「これでもう歩かずに済むのか」と思ったほどです。
まとめ
上述しましたが、西黒尾根ルートは上りで使うほうがよいです。
ピストンをするにしても、ロープウェイを使わずの田尻尾根から下るにしても、もし上りの西黒尾根で疲れてしまった場合、ロープウェイで下りられるからです。
とはいえ、もう懲り懲りだと思うのではなく、今度は上りで行こうと思うあたり、西黒尾根の、谷川岳の魅力ですね。