
八ヶ岳は長野県と山梨県にまたがって位置する火山群の総称で、標高は2899mです。山域は南北に30kmにもおよび、蓼科など周囲の山岳を含めた「八ヶ岳連峰」として定義されることもあります。
主峰は赤岳になり、権現岳・編笠山・横岳・天狗岳・北八ヶ岳などの峰によって構成され、これらは20kmにわたる連峰です。
八ヶ岳中信高原国定公園に属し、日本百名山に選定されています。
この記事に書いてあること
八ヶ岳について・概要
八ヶ岳には草原が多く点在し、エリアによって野辺山高原・富士見高原・蓼科高原・清里高原などが広がり、そのどれもが観光スポットとしても人気がある一方、山麓付近はカラマツ・アカマツなどの深い森林帯で囲まれ、野生動物が多く生息します。
また八ヶ岳は草原を利用した牧畜や野菜栽培がさかんな場所でもあります。
山麓は温泉や別荘などが多く商業施設も充実したリゾート地として、一般観光客が多く訪れます。
登山の人気シーズンは?
八ヶ岳は標高も3000m級の山岳に匹敵することから、冬が長い傾向にあります。
山腹に点在する高原・草原は四季を問わず観光客が多いですが、登山目的では夏と秋に人気が集中します。
交通網や山道が整備されていることで、初心者でも登りやすい山であることから、非常に人気が高いこともあり、人気シーズンにはかなりの混雑が見られることもあります。
この山の魅力
八ヶ岳の魅力は、まずその展望の良さが挙げられます。
山頂からは、北アルプス・南アルプスが一望でき、富士山も見られます。
高山植物の大繁殖域でることも有名で、シラビソ・シャクナゲ・コメツガなどがシーズンになれば一気に開花します。
キバシャクナゲの群生地は国の天然記念物として指定され、非常に豊かで広大な自然環境を楽しむことができるのです。
登山のレベル
八ヶ岳は目的とする峰によってレベルがかなり違い、初級者から上級者まで楽しめます。
八ヶ岳は南北に稜線が伸びる形で、北側は難易度が低く、南側は険しい山頂となります。
全稜線のちょうど中程にある夏峠を境界線にして北八ヶ岳・南八ヶ岳と呼ばれることもあり、険しい山頂の南八ヶ岳では岩場や鎖場、はしごなど難所・危険箇所があります。
主な登山ルート
北八ヶ岳は山体が大きく、登山ルートもかなりの数が考えられます。
選択するルートによって登山レベルの差が大きいので、自分の経験に合ったルートプランを取ることが重要になります。
桜平登山口~硫黄岳ルート
桜平登山口をスタートして夏沢鉱泉を経由、峰の松目を通って硫黄岳山頂に登ります。
夏沢峠へ下り、オーレン小屋から夏沢鉱泉に戻り、桜平登山口でゴールします。
標高差874m、総距離9.9km、所要時間5時間半になります。
登山初心者向けのルートです。
美濃戸口~赤岳・阿弥陀岳縦走1泊2日ルート
美濃戸口をスタートして美濃戸山荘を通過、地蔵の頭を経由して赤岳で1泊目。
2日目は中岳のコルへ縦走し、さらに阿弥陀岳へ縦走、中岳のコルへ戻り、もと来た美濃戸山荘から美濃戸口へ下ってゴールします。
標高差1396m、総距離17.4㎞、所要時間11時間になります。
冬山登山はできる?
八ヶ岳は冬登山も可能です。幕営もできるので、本格的な装備を持ち込み、パーティを組んでアタックされる登山者はかなりいます。
選ぶ峰、ルートによっては初心者でも踏破できるかもしれませんが、それは天候が良い場合のことです。
どのルートでも距離が長くなりがちなので、パーティには必ずベテランの経験者を入れておくことをおすすめします。
ホワイトアウトによる遭難、とくに滑落事故が八ヶ岳では毎年必ず起こるということを認識してのぞみましょう。
山小屋情報
八ヶ岳と呼ばれるエリアは広く、各峰には複数の山小屋が設置されています。
最高峰の「赤岳」にある代表的な山小屋を挙げておきます。
- 赤岳天望荘
- 場所:長野県諏訪市渋崎1792-448
- 電話:0266-74-2728
- FAX:0266-74-2755
- 営業期間:通年営業
まとめ
登山初心者から上級者まで楽しめる八ヶ岳は、山荘やヒュッテも個性があり楽しめます。
飲食も充実し音楽イベントを行う山荘などもあり、山登りとともに楽しめる要素が増えつつあります。