蓼科山

蓼科山は長野県中部に位置する火山です。「諏訪富士」の別名を持つ、古くから長野県で親しまれてきた山で、山岳信仰の対象でもありました。

標高は2531m、八ヶ岳中信高原国定公園に指定され、日本百名山にも選定されています。

山麓にある蓼科高原は全国規模の知名度があり、観光保養地として現在までも高い人気をほこります。

神代からの様々な伝承が残り、歴史書にも幾度かその名が登場し「女神が住む山」として信仰の対象となっています。




蓼科山について・概要

蓼科山は成層火山であり、山頂には直径100mの火口の名残を見つけることができます。

広く長い裾野をもつ傾斜の穏やかなな山で、古来より歌で歌われるほどの美しい山容が特徴的です。

西側中腹にある蓼科高原は、むしろ蓼科山よりも有名で、数多くの温泉郷や湖など観光スポットが点在します。

頂上付近は岩石が多い地質で火山らしい様相があります。

山頂には蓼科神社が鎮座し、参拝を目的とした登山客もいます。

登山の人気シーズンは?

蓼科山は積雪期が短く、1年を通して長い期間登山を楽しむことができます。

とくに高山植物を始めとした植物が芽吹き始める春から夏、そして紅葉が色づく秋が登山・観光客の最盛期です。

天候が穏やかなタイミングを見計らい残雪を楽しむ登山客も少なくありません。

この山の魅力

蓼科山は展望が素晴らしく、日本アルプスの各山や浅間連峰、秩父山塊を視界に収めることができ、富士山も迫力ある姿を見せます。

溶岩で覆われた山頂エリアには高い樹木が育たず、開放感のある広い視界が魅力です。

山腹にはシラカンバ・ダケカンバといった樹木林があり、大いに自然を楽しむことができます。

避暑地としての古くから親しまれてきた場所でもあることから、商業・観光施設は夏場に合わせて本格営業を始めます。

登山そのものよりもそれら施設の観光を楽しみたいのであれば、やはり夏山が最も適しているといえるでしょう。

登山のレベル

一大観光スポットである蓼科高原があることで、蓼科山も同様に捉えられがちですが、高原より上から山頂まではそれなりの難易度を持ちます。

また山頂付近は火山特有の岩場が続き、浅間山などの活火山にも似た雰囲気があります。

距離的にはそれほど長くありませんが、鎖場などの難所もあるので、登山レベルは概ね中級くらいと考えてよく、体力・脚力はそれなりに必要です。

主な登山ルート

蓼科山の楽しみ方は「登山と観光」の2つに分類され、アクセス方法も少し違います。

ここでは、登山目的としたルートをいくつか挙げておきます。

七合目登山口~山頂ルート

七合目登山口をスタートし、将軍平に到着。

そこから山頂に向かって直登します。

同じルートを戻るピストンルートです。

標高差623m、総距離4.5㎞所要時間3時間になります。

大河原峠~山頂ルート

大河原峠をスタートし山頂へ、そこから将軍平まで戻り、亀甲池→双子池をめぐり二子山へ登頂。

大河原峠に戻ってゴールします。

標高差558m総距離10㎞所要時間6時間になります。

冬山登山はできる?

蓼科山は冬登山も可能です。

蓼科高原は整備されているので、冬でも一般観光はできますが、蓼科山の方はそれなりに冬登山の装備が必要になります。

アイゼン・ピッケル・防寒装備はもちろん、トレースが消えることもあるので地図やGPSもある方が安全です。

蓼科山は標高が2531mもあるので、冷え込むときはかなりの低気温になり降雪量も多いようです。

厳寒期の大雪のあとなどはラッセルで進むこともあるので、油断せずアタックしましょう。

山小屋情報

蓼科山には山小屋が複数あり、いずれも営業小屋です。

  • 蓼科山頂ヒュッテ
  • 場所:蓼科山山頂
  • 電話:049-266-9264
  • FAX:049-266-9265
  • 営業期間:4月下旬~11月初旬まで

まとめ

蓼科は開かれてからの歴史が古く、様々な要素を持ちます。

蓼科高原では優れた自然環境の中で観光を楽しみ、蓼科山では中級レベルの本格的な登山を経験することができるのです。