
雨飾山は長野県と新潟県の県境に位置します。標高は1963mあり、長くなだらなか裾野をもちます。
妙高山群の最西端にあり、山頂のフォルムが「猫の耳」と呼ばれる2つの峰を持ち古くからこの地に訪れる人々に親しまれてきました。
山域は妙高戸隠連山国立公園に含まれ、日本百名山に選定されています。
この記事に書いてあること
雨飾山について・概要
雨飾山は、雨乞いするために祭壇を祀ったことが山名の由来です。
現在でも山麓の住民によって毎年5月5日には登拝行事が続けられています。
山頂にはこれらに関連する石仏などを見ることもできます。
雨飾山の山容は山頂が鋭利に隆起し岩壁もあり、ロッククライミングを目的に愛好家が集まります。
登山の人気シーズンは?
雨飾山の登山シーズンは5月中旬から10月中旬頃までです。
雪深い地方なので、登山適切期は短かく登山客は集中する傾向にあります。
やはり雨飾山は高山植物をなどの自然の魅力なので、大型連休と重なる7月、8月が最盛期だと言えます。
登山日程を考えるときの参考にしましょう。
この山の魅力
雨飾山の魅力は豊富な高山植物の鑑賞ができることと、山頂から素晴らしい展望にあります。
山頂からは360度のパノラマが広がり、延々と続く妙高山群の稜線を一望することができます。
また西側は遠い日本海まで視界に入り感動的です。
また、中腹以上の標高になると現れる大きな岩がゴロゴロしたガレ場があることも、ある意味登山の醍醐味です。
火山地形のある山へ好んで登る愛好家や上級者には、この難所が魅力と感じることもあるはずです。
登山のレベル
雨飾山の登山レベルは中級から上級です。
とくに五合目以上になると徐々に傾斜は強くなり、かなり急な坂も現れます。
足場の悪い傾斜を登る技術と体力が要求され、それが不足した場合にはリタイアすることになるでしょう。
また岩場も多く、天候が崩れると一気に登山レベルも高くなります。
主な登山ルート
雨飾山は登山口が少なく、基本ルートは限られます。
ただ、車やバスで標高の高いところまでアクセスすることもできるので、自分の体力・登山レベルに合わせたルート設定は可能です。
小谷温泉バス停~山頂ルート
自動車道にある小谷温泉バス停をスタートし、荒菅沢出合、主稜線出合と進み、雨飾山頂上を目指すピストンルートです。
雨飾山登山ルートとしては最もポピュラーなものです。
標高差1075m、総距離8㎞所要時間6時間半になります。
雨飾温泉~山頂ルート
雨飾温泉をスタートし中の池を通過、雨飾山へ直登し往復して下山します。
総距離は短くなりますが、その分傾斜がきつくなり登山レベルと体力も必要になるハードコースです。
標高差1150m、総距離6.5㎞所要時間7時間半になります。
冬山登山はできる?
雨飾山は冬登山も可能です。
ただし、夏場の天候の良いときでも楽な登山ではありませんので、冬場はさらに過酷になることを覚悟しましょう。
時期によってはかなりの積雪に見舞われる他、残雪期でも登山道が急斜面で岩場も多いことから事故・怪我の危険性はかなり高いといえます。
急斜面を持つ山道で気をつけたいのは、むしろ登りよりも下りのときです。
滑り止め・防水加工の登山着とシューズ、その他の携行品もフル装備でのぞむことはもちろん、かなりの体力を消耗するので行動食なども夏場より多く持参することをおすすめします。
山小屋情報
雨飾山には一軒だけ山小屋があります。
知力消耗の激しい登山ルートが多いので、いざというときのために場所を確認しておきましょう。
- 泊岩
- 場所:富士見峠北へ600下る
- 電話:025-552-1511
- FAX:025-552-7372
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
雨飾山は甲信越の山岳では知名度はそれほど高くありません。難所も多く難しい山ですが、それだけにチャレンジする価値があります。
甲信越地方山岳が好きな人や重点的に登っている人は、一度アタックしてみましょう。