トムラウシ山は大雪国立公園の中央部にそびえるどっしりとした男性的な外観。雄大な北海道の山らしく、厳しい環境であるもののダイナミックな自然体験ができる人気の火山です。

里山からは奥深い位置にあることやかなりの低気温のために登山者に求められる技量・経験も高くなります。




トムラウシ山について・概要

トムラウシ山は「冨良牛山」と書かれることもあるが、本来アイヌ語が語源であり、これは当て字です。

アイヌでは神聖な山とされ文明の手が入っていないため手付かずの自然がそのまま残っています。

大雪山の中央部に位置し、標高2141mと北海道の山岳の中でも最高峰の一つ。

一年を通してかなりの低気温であり、森林限界(高い木が育たない環境)が見られます。

登山に関してはとにかく長距離ルートになるために日帰りよりは1泊することが一般的です。

また遭難多発地帯であることも念頭に入れてアタックすることが大切になります。

登山の人気シーズンは?

トムラウシ山の登山ベストシーズンは7月中旬から9月中旬までです。この前後はかなり気温が低く天候もあれがちになるので、かなりの高度な技量を求められます。

トムラウシ山の魅力である高山植物を楽しむのにも、このくらいの季節が適しているといえます。

ただし、夏を超えて9月に入ると、想像以上に日が短くなり登山計画が難しくもなります。

登山経験が豊富であっても脚に自信のない人は、余裕をもった登山計画を立てることも忘れないでおきましょう。

トムラウシ山:この山の魅力

トムラウシ山は大雪山の最も奥深いところにあるだけに、ダイナミックで荒々しい自然を満喫できることが最大の魅力だといえます。

登山ルートには「日本庭園」「トムラウシ庭園」と表現されるほどの美しい高山植物帯が見られ、人間よりも遥かに大きな岩が散乱するロックガーデンや沼の原湿原など、ため息をつき感動するような景色を堪能することができます。

頂上付近から見られる大雪山系の稜線も素晴らしく、登山の疲れが吹き飛ぶほどの感動が得られることでも有名です。

トムラウシ山:登山のレベル

トムラウシ山は非常に難易度の高い山で、気候・ルート環境どれをとっても上級レベルです。

中級以上の登山愛好者がアタックして踏破できれば登山経験をステップアップできることになるでしょう。

最も障壁となるのが、32kmというその長いルート距離です。

基本的には日帰りは難しく、野営する装備と技術も必要となるので、アタックする際には自分のレベルと手持ちの装備を再確認する必要があります。

主な登山ルート

トムラウシ山には有効とされているルートがいくつかあります。

中には本格的な登山経験がないと不可能なものもあるので、ここでは危険度・難易度の低いルートを2つ紹介しておきます。

トムラウシ温泉日帰りルート

コース全長が1491mで11時間弱かかるルートです。

トムラウシ温泉をスタートし、短縮コース分岐を通過して頂上を目指し往復して帰ります。

沼の原湿原~花畑ルート

ルート全長が32km、14時間半もの時間が必要となる上級者コースです。

もちろんテント泊が必要となり、難易度も高まりますが、トムラウシ登山の醍醐味を味わうことができます。

標高差は上りルートで1605m、下りで2050mとなります。

冬山登山はできる?

トムラウシ登山は冬山でも登ることができますが、夏場であってもかなりの低気温であることは忘れてはなりません。

冬場にトムラウシ山を訪れる人のほとんどがスキー目的であり、そのための施設は充実しています。

ただし、スキー目的であっても北海道の冬山としては最難関と言われているので、初心者が準備不十分のまま挑むことはかなり危険です。

山小屋情報

トムラウシ山の登山コースに山小屋はありません。

水場やトイレなどは途中にありますので、必要な場合はそこを利用します。

代わり登山口付近にある国営宿舎があるので記載しておきます。

  • 国民宿舎東大雪荘
  • 場所:北海道上川郡新得町字屈足トムラウシ
  • 電話:0156-65-3021
  • FAX:なし
  • 営業期間:8:00~21:00

まとめ

北海道登山の中でも最も難易度が高いトムラウシ山。

頻繁に遭難・事故も多発する地帯ですので、気を引き締めてアタックすることが大切です。