
祖母山は宮崎県と大分県の県境に位置する山です。九州山地に属し祖母連山の主峰、標高は1756m、宮崎県では最も高い山になります。
祖母山は江戸時代から銅や錫・鉛などの鉱物資源が取れ、昭和の時代まで採掘が続けられ、日本有数の鉱山として栄えました。
神武東征の舞台として古事記・日本書紀にも登場し、祖母山という山名の由来(神武天皇の祖母)にもなっています。
古くから神体山として信仰の対象となりあがめれています。
山域は祖母国定公園に属し、日本百名山に選定されています。
この記事に書いてあること
祖母山について・概要
祖母山の山容は美しく、ピラミッドのような形は連山の他の山に埋もれず認識することができます。
もともとは火山活動によって形成された山であることから、至るところに花崗岩が見られ、断崖や岩壁も多く、山麓には渓谷を有します。
木材資源となるブナ・モミ・ツガなどが広く繁殖し、高山植物や希少動物が生息するなど、奥深い自然を感じられることで登山・観光で多くの人が行き交う山です。
登山の人気シーズンは?
祖母山の春の訪れは早く、3月初旬には高山植物が順に花をつけ始め、それに比例して登山客も増えます。
最盛期はもう少し気温の上がる5~6月から夏にかけてがピークです。
祖母山は紅葉の美しさでも定評があり、概ね10月の初旬頃から山麓を紅く染め始めます。
南国ではあるものの、冬には積雪期もあり、1~2月あたりに山頂が雪で白くなります。
この山の魅力
祖母山登山の魅力の一つとして、展望の良さが挙げられます。
山頂から北西方向には九州山脈の峰々と阿蘇山脈を視界に収めることができ、足元から伸びるように祖母山系の稜線がつながる大絶景が見られます。
山麓から山頂の手前までは照葉樹林・針葉樹林が生い茂り、山頂にはスズタケやブナが繁殖する緑の多い山で、カモシカやムササビが生息する自然の豊かさも登山を心地よいものにしてくれます。
登山のレベル
祖母山は登山ルートによって難易度がかなり違い、初心者から上級者まで楽しめる山です。
高度に整備された山道から断崖をトラバースするルートまであるので、ルート選択が大切になります。
ただし、登山口はすべて山麓にあるので、ルート距離は長くなるので、難易度の低い登山ルートであってもそれなりの体力・脚力は必要です。
主な登山ルート
祖母山は鉱山として開かれていたことで、新旧様々な山道があります。
寂れて整備されていない道もあるので、地図だけでルートプランを立てるのは危険です。
最新の登山者の口コミなどを確認し、現状整備されている山道を選びましょう。
北谷登山口~祖母山ルート
北谷登山口をスタートし、三県境から国権峠を抜けて祖母山へ登頂し、風穴へ向かいます。
もと来た山道を戻るピストンルートになります。
標高差754m、総距離7㎞、所要時間4時間になります。
尾平登山口~祖母山ルート
尾平登山口をスタートし、分岐→宮原→祖母山九合目あけぼの山荘から祖母山へ登頂します。
帰りは分岐まで戻り、北ルートとは別のルートを通って同じ分岐に合流し、尾平登山口に戻りゴール。
標高差1205m、総距離10㎞、所要時間7時間になります。
冬山登山はできる?
祖母山は冬登山もでき、多くの登山客が訪れています。
真冬ならばある程度積雪はありますが、ラッセルするほどではありません。
アイゼン・ピッケルと防寒着などの基本的な装備があれば、安全に山頂までたどり着けるはずです。
ただし、気温がそれほど低くない反面、雪が固まってアイスバーンのようになっていることもあるので、滑落いは注意する必要があります。
山小屋情報
祖母山には山小屋やキャンプ場があります。
テント泊をする際にも役立ちますので、場所を確認しておきましょう。
- 祖母山九合目小屋
- 場所:祖母山山頂北300m
- 電話:0974-42-4140
- FAX:なし
- 営業期間:通年
まとめ
九州の山岳としては必ず経験しておきたい祖母山は、比較的登山レベルも低く安全な山です。
奥深い自然が魅力で、シーズンになると多くの登山者でにぎわいます。