両神山に日帰り登山・レポート【鎖場天国/八丁峠/龍頭神社】

鎖場天国」の異名を持つ両神山の八丁峠。鎖場のトレーニングにももってこいの山です。その「鎖場天国」両神山へ登山に行ってきました。その理由は・・・

「いつかは劔岳へ」と想いを馳せているひとは多いでしょう。

わたしもそのひとり。

いつかの劔岳登頂を目指し、岩場・鎖場登山のレベルをあげるため、今回はソロでチャレンジしました。

日光白根山、伊豆ヶ岳、二子山、西穂高岳と徐々に岩場のレベルを上げてきたつもり。

今回の両神山は腕試しです!公共交通機関がないので、レンタカーを借りて両神山の八丁尾根ルートに挑みました。




コースルート・タイム

今回はソロなので休憩はあまり取りませんでした。

ただし、何があってもいいように行動食は2倍、飲みものもいつもの日帰り登山よりは多めに持っていきました。

登山データー

登山日付 2015年10月10日
天候 曇り
最低気温 3℃(山頂)
最高気温 11℃(山頂)
標高差 503m(ただし、標高累計差は1100m以上)
トータル時間 7時間40分
ルート 八丁トンネル登山口(7:30)→八丁峠(8:20)→西岳(9:20)→龍頭神社奥社(9:40)→東岳(10:20)→剣ヶ峰(山頂・11:20-12:00)→東岳(12:50)→龍頭神社奥社(13:20)→八丁峠(14:30)→八丁トンネル登山口(15:10)

主な服装・持ち物

  • ザック:North Face・30L
  • シューズ:MAMMUT
  • 服装:半袖、長袖のインナー、長ズボン
  • レインウェア上下
  • フリース
  • キャップ(ゴアテックス)
  • 手袋(防寒用の薄いもの、防水用の厚いもの)
  • 行動食(じゃがりこ、アルフォート、キャラメル、カロリーメイト、黒糖、ドライマンゴー1袋)
  • 昼食(カップヌードル)
  • バーナー
  • 飲みもの3L(昼食用の水を含めて)

両神山はどんな山?

両神山

両神山は埼玉県小鹿野町にある山で、標高は1723mの日本百名山です。

山岳信仰の霊峰であり、三峰山、武甲山と合わせて「秩父三山」と呼ばれています。

山頂には祠もあります。

日向大谷口から登るルートには石仏や石碑が多くあります。

また、山頂から30分くらい手前のところには両神神社があります。

(それなりに大きい神社ですが、無人で閉じられていました)そんな両神山は新緑や紅葉が楽しめたり、沢沿いを歩けたり、そして鎖場があったりなど、バラエティに富んだ山です。

ルートによって、初心者・中級者・上級者それぞれが楽しめる山です。

東京から八丁トンネル登山口までのアクセス

  • 1、関越道の花園インターチェンジを下りて国道140号線(彩甲斐街道)の秩父方面へ進みます
  • 2、皆野寄居有料道路から皆野秩父バイパスを経て国道299号線の上野・小鹿野方面へ直進
  • 3、しばらく道なりに進み志賀坂トンネル手前で金山志賀坂林道へ左折

※駐車場は20台~25台停められます。

「両神山の八丁峠」の注意

【注意】2015年10月の情報です。

2018年4月28日から現在まで(2019年10月)、「金山志賀坂線」(志賀坂峠~八丁トンネル登山口)は、土砂崩れのため全線通行止めになっています。

そのため、上記のルートは現在使えません。

登山レベル(八丁尾根ルート)

  • 鎖場の経験があるひと
  • 三点確保ができるひと
  • 6、7時間の登山に慣れているひと

八丁トンネル登山口→八丁峠(所要時間:50分)

途中滑落危険箇所はあるものの、基本的には林道です。

鎖はすぐ出てくるものの、使う必要がないくらいの程度です。

ここでは来るべき鎖場に備えてウォーミングアップ。

少し早足で歩き、身体をあたためます。

天候がいまいちでしたが、ちらほら紅葉が見えてきました。

道は多少岩でボコボコしていますが歩きやすいです。

特に難もなく八丁峠に着きました。

八丁峠→西岳(所要時間:1時間)

八丁峠から西岳までは尾根沿いで多少急坂になり、鎖もちらほら出てきますが、まだ序盤です。

紅葉の季節に行ったので、この尾根からみる紅葉はなかなか見事でした。

青い空が見えなかったのが残念・・・。

西岳は展望もなく、特に見処がないのでスルー。

ここまでは危険な箇所もなく、心待ち余裕を持って登ることができました。

西岳→龍頭神社奥社→東岳(2時間30分)

ここからが鎖場の本番です。

約30本ある鎖場はこの区間に集中しています。

この区間は、鎖場は集中していますが、岩の割れ目などが比較的大きかったり所々にあるので、足を確保しやすいため、体力は使いますが登ることに対する難易度は高くない気がします。

また、森林が密集しているところが多いので、高度感はあまりないため、高さの恐怖心も比較的少なかったです。

ただ、20m程度の長さの鎖もあり、腕の筋力と体力はかなり必要だと思いました。

八丁峠から東岳を約2時間で登りきりました。

東岳も展望はないですが、登りきったということで写真を一枚。

鎖場の注意点その1:三点確保

三点確保鎖場を安全に安定して登るためには、岩場歩きの基本である三点確保をすることです。

三点確保とは、手足4本のうち、3本は安全な箇所に置き身体を安定させること。

3本で安全を確保し、残りの1本を動かします。

分かりづらいかもしれませんが、この写真では両手と右足を確保し、左足を前に進めたところです。

この動作を繰り返します。

鎖場の注意点その2:グローブの有無

グローブの有無鎖場のときにグローブをつけるかつけないかは人によります。

ちなみにわたしはつけません。

滑らないように、手が痛くならないようにつけるひともいますし、わたしのように手の感覚が大事というはひとはつけません。

ただし、秋冬になると手が冷えて鎖を掴むことさえ困難になったり、雨が降って滑ったりする事態に備えて、つけない派のひとも滑り止めのグローブは持っていったほうがよいでしょう(備えは大事!)。

鎖場の注意点その3:極力鎖を使わない

鎖は最低限使う両神山のように鎖が連続してある場合、わたしは極力鎖を使わないようにしています。

理由は2つあります。

【1、鎖が安全とは限らないから】

いままで鎖が切れて滑落したことはないですし、そんな話は聞いたことはありませんが、いつ取り付けられたものか、強度はどのくらいなのか不明です。

たまに金具が外れていることもあります。

鎖は、人間が岩に無理やり取り付けたものです。

過信はできません。

使う場合は、引っ張って強度を確認してからのほうが安心です。

【2、なるべく腕の筋力を温存するため】

八丁尾根ルートをピストンする場合、帰りもこの30本近くある鎖を使って下る必要があります。

鎖場は上りより下りのほうが大変です。

腕の筋肉にかかる負荷が大きくなります。

腕の力が尽きてしまったら、待っているのは滑落です。

腕の筋力を保つためにも、鎖を使わなくても登れるところは使わないで登るほうがよいでしょう。

東岳→剣ヶ峰(所要時間:1時間)

東岳を過ぎたら、いくつか鎖場はあるものの、西岳~東岳ほどではありません。

が、疲れきったところでの山頂手前の急坂はなかなかしんどいものがあります。

コースタイムは1時間半。

いままでの行程を考えたら長くはないけど、決してすぐとは言えない時間・・・精神的に結構きました。

山頂(滞在時間:40分)

コースタイムより少し早く到着。

紅葉も鮮やか!しかしガスっていたために展望はありませんでした。

両神山頂上より富士山が見える

天気がいいと、アルプスや富士山が見えます。

両神山

天気がよいときの山頂の景色はこんなかんじです。

お昼のカップヌードルを食べて、紅葉を見ながらしばらくボーッとしていました。

この季節、歩いているときは長袖のインナーに半袖でいけますが、山頂でじっとしていると結構寒いです。

レインウェアもしくはソフトシェルがあったほうがよいです。

山頂→八丁トンネル登山口まで下山(所要時間:3時間10分)

帰りは来た道をひたすら下ります。

先述のとおり鎖場は上りより下りのほうが大変。

三点確保をしながら慎重に下りていきます。

よく、知らない行きの道より、知っている帰りの道のほうが短く感じるといいますが、登山は逆な気がします・・・きっと、上りは山頂が待っていますが、下りは帰るだけなのでモチベーションと緊張感を保てないんだと思います。

「まだここか」「まだまだか」と何度心が挫けたことか・・・ようやく八丁トンネル登山口に戻ってきたときはヘロヘロでしたが、かなりの達成感がありました!

まとめ

八丁尾根ルートは鎖場の難易度も高く、コースタイムも短くないですが、日帰りで行けるので鎖場のトレーニングとしては手近な山です。

劔岳や西穂高岳、妙義山(表妙義)に行こうとしているひとはまず、このルートを登ってみて自分がどのくらいのレベルなのかを図るのがよいかと思います。