
大雪山は北海道中央部に位置する複数の山の連なりの総称で、一つの山岳を指す呼称ではなく、そのために「大雪山系」と呼ぶこともあります。
大雪山すべてを合わせると神奈川県に匹敵するほどの広大な面積があり、「北海道の屋根」と表現される広大な山岳地帯です。
登山目的としても非常に人気が高く、ルートバリエーションも豊富です。
登山上級者からトレッキング目的の人にも人気が高く多くの登山者を受け入れています。
この記事に書いてあること
大雪山について・概要
大雪山は、「表大雪」「東大雪」「北大雪」「十勝岳連峰」と大きく分類され、それぞれに火山群が存在する連峰です。
最高峰は「旭岳」になり2291mの標高は北海道も最高になります。
登山愛好家には人気ですが、非常に気候が厳しく、本州の山岳では3000m級のものと相当します。
天然保護区域・鳥獣保護区が存在し、手付かずの大自然を堪能でき、北海道らしさを最も楽しめる山だとも言えるでしょう。
登山の人気シーズンは?
大雪山は非常に寒く、5月であっても雪山です。
なので大雪山は夏と冬の2シーズンしかなく、夏場でも残雪が残っているほど。
これは本州の北アルプスと同等の気候であると思っていいでしょう。
結果、大雪山の登山及びスキーシーズンは6月の中旬あたりから10月中旬までとなります。
この山の魅力
大雪山登山の最大の魅力は、なんといってもそのスケール感の大きさです。
また登山ルートが豊富で、本格的な登山からトレッキングまでそれぞれのレベルに合わせて選択できるところも、大雪山が人気が高い要因です。
そして、圧倒的とも言える高山植物も多くの登山愛好者を惹き付ける理由です。
最近では人気の山のごみ問題などが取り沙汰されていますが、自然保護活動の進んだ大雪山は手付かずの美しい自然を堪能できるのです。
大雪山:登山のレベル
大雪山の登山レベルは、平均すると中級レベルといえますが、選択するルートによって大きく差があります。
後述する「主な登山ルート」の項目で記載しています。
特徴としては標高は高いものの登山道が長く、12km・7時間にも及ぶルートもあるので、テクニックにもまして体力が要求されます。
自分が用意できる装備・経験・知識・同伴者の有無などをトータルして検討しましょう。
大雪山:主な登山ルート
大雪山は、それを指すエリアが非常に広いために「大雪山グレード」という公式なレベル分けもされています。
全部で5グレードあり、標高・難易度・気候条件などの要素によって登山レベルの指標としています。
紅葉谷入口~紅葉滝ルート(グレード1)
柱状節理・紅葉滝などの観光スポットがあり、往復で1時間程度の初心者ルートです。
姿見の池園地~裾合平分岐ルート(グレード2)
旭岳から黒岳に渡る登山ルート。
きれいに整備され、とくに夏のシーズンは安全に登山することができます。
ただし冬場は状況が変わるので、情報収集が必須。
姿見の池園地~旭岳ルート(グレード3)
旭岳から裾合平をぐるりと回り黒岳に抜けるルートです。
ロープウェイから近いのでアクセスはかなり便利。
ただし、登山道は風雨にさらされ荒れていることや、天候不順時には濃い霧が発生し危険度が一気に増します。
北海岳分岐~白雲避難小屋ルート(グレード4)
表大雪の代表的な登山ルートで、荒々しい手付かずの自然を味わえるダイナミックなロケーションが魅力。
往復登山ではなく縦走登山をする登山者に親しまれ、人気の高いルートでもあります。
ただしルートは長いため、日帰りよりは1泊するのが一般的です。
途中避難小屋や野営指定地もあります。
オプタシケ山~トムラウシ山ルート(グレード5)
大雪山登山では最も難易度の高いとされる登山ルート。
整備がほとんどされず、人工造形物を見ずに進めるところを好む上級者が多くいます。
難易度の高さにも関わらず、避難ルートや避難小屋もないので、登山者個人に求められる技量と判断力は自ずと高くなります。
冬山登山はできる?
大雪山の冬山はかなり厳しい状況になります。
5月から10月までの3ヶ月間は冬山となり、極寒期もあるので十分な注意が必要です。
一般的に冬山はスキー目的の人がほとんどで、もちろんコースも限定されます。
冬山登山を試みる場合には5月や10月の季節の変わり目を狙うのがセオリーだとおぼえておきましょう。
山小屋情報
大雪山全体ではいくつかの避難小屋や野営地、水場などがあります。
ここでは人気の高い登山コース「黒岳」と「旭岳」の情報を掲載しています。
黒岳石室
- 黒岳石室
- 場所:層雲峡 上川町 上川郡 北海道 078-1701
- 電話:な01658-5-3031
- FAX:なし
- 営業期間:通年(6~9月管理人常駐)
旭岳石室
- 旭岳石室
- 場所:勇駒別 東川町 上川郡 北海道 071-1472
- 電話:0166-46-5922
- FAX:なし
- 営業時間:通年
まとめ
最も広大な北海道らしいを楽しめると言われる大雪山ですが、事故が多いことでも知られています。
大雪山に挑むときには、本州での3000m級の山岳と同等の準備をし危機意識を持つことも忘れてはなりません。