
九重山は大分県に位置する火山群の総称で、「九重連山」とも呼ばれます。「九重山」「久住山」の2つの表記が混在します。
九重山は最高峰の中岳を始めとする10峰が連なり、主峰の中岳の標高は1791mで九州で最も高い山です。
九重連峰は活火山であり、現在でも噴気を上げることから一部立入禁止場所も設けられ、常時観測が必要とされています。
いまだに活発な活火山であり、1995年には星生山で噴火が起きています。
山域全体が阿蘇くじゅう国立公園に属し、日本百名山に選定されています。
この記事に書いてあること
九重山について・概要
10数個もの火山が集まる九重連峰は、日本最大の溶岩ドーム群を有しています。
九重連山を構成する山の一つ大船山は水蒸気爆発を2回起こし、硫気活動も観測されています。
これら活火山のエネルギーを利用し、大岳と八丁原には両地発電所が可動しています。
北側には飯田高原、南側には久住高原が広がり、1500mにも及ぶコケモモなど高山植物繁殖地が広がります。
また、九重連山の山麓は温泉地としても有名で、長者原・筋湯など観光地としても開けています。
登山の人気シーズンは?
九重山の登山人気シーズンは、大型連休がある夏山はもちろんのこと、高山植物が順に花をつけ始める5~6月頃にも人気のピークがあります。
イワカガミ・ツクシシャクナゲ・コケモモやリンドウなどが次々と開花する春と夏は、登山の最盛期になります。
また10月頃から色づき始める紅葉も見事で、冬前の涼しさなども加わり山は人でにぎわいます。
この山の魅力
九重山登山の魅力は、連山の中央に位置する坊ガツル湿原で、国際条約の一つであるラムサール条約登録湿地に選定される壮大な湿地帯です。
春から夏にかけて高山植物の花畑が形成され、コケモモやミヤマキリシマなどの群落は天然記念物になります。
とくにミヤマキリシマが咲く5~6月には紫色の花絨毯を草原に敷き詰めたように咲き誇り、登山客の目を楽しませます。
湿地帯には高い樹木がなく、延々と広がる湿原と九重連山の峰々をパノラマで楽しむことができます。
九重連山を南北で縦に割るようにやまなみハイウェイが走り、アクセスのしやすさも登山客が集まる理由です。
登山のレベル
九重山の登山レベルは中級くらいです。
山道は穏やかな傾斜で、ルート距離もそれほど長くはなりません。
また歩行が困難になるような難色もほとんどなく、登頂する峰によって岩場がある程度です。
見晴らしが良く歩きやすい山道を快適に登ることができるはずです。
主な登山ルート
九重山はアクセスが良く、主にバス路線が充実しています。
どのルートを使っても危険度・難易度は似通っています。
赤川登山口~久住山ルート
赤川登山口をスターオし、久住山へ直登します。
山頂から神明水→猪鹿狼寺跡へと下り登山口でゴールします。
標高差735m、総距離7.5㎞、所要時間4時間半になります。
牧ノ戸峠~縦走ルート
牧ノ戸峠をスタート、沓掛山→扇ヶ鼻分岐→久住分かれから久住山へ登頂。
星生山へ縦走し、扇ヶ鼻分岐に戻り、沓掛山から牧ノ戸峠でゴールします。
標高差735m、総距離10㎞、所要時間4時間半になります。
冬山登山はできる?
九重山は冬山も人気です。
積雪量はそれほど多くなく、天候が極端に崩れなければ比較的安全に登ることができるでしょう。
九重山の冬登山では、山頂の凍った御池がビュースポットとして有名です。
完全に凍結していれば池の上を歩くことができ、多くの登山者がそれを期待して訪れます。
山小屋情報
九重山にはいくつかの山小屋・山荘があります。
また山麓にはキャンプ場もあるので、プランの幅を広げることができます。
- あせび小屋
- 場所:法華院温泉から200m
- 電話:090-4980-2810
- FAX:なし
- 営業期間:通年
まとめ
活発な活動を続ける九重山ですが、山の様子は穏やかで非常に美しい環境が魅力です。
ただし、火山活動によって規制がかかることもあり得ることなので、事前チェックだけは怠らないようにしましょう。