
阿寒岳は北海道釧路市と足寄町にまたがってそびえる活動の著しい火山です。雄阿寒岳、雌阿寒岳とあり、一般的に登山目的で知られるのは雌阿寒岳のほうで、たんに"阿寒岳"と呼ばれる際にも雌阿寒岳を指します。
ごく近くに同級の阿寒富士があり、すべて火山となります。
北海道の登山目的の山岳の中では整備が行き届き穏やかで展望も優れているので、かなり人気が高い山です。
この記事に書いてあること
阿寒岳について・概要
阿寒岳は活動が激しい火山であり、1959年、1998年、最近では2006年にも規模の小さな噴火活動が見られ、周辺に降灰も起こっています。
標高差が800m程度で、所要時間も3時間あまりと北海道の山岳の中では登りやすいと言えます。
噴火活動が激しく、しょっちゅう入山禁止となりますが、火山ならではの荒々しい地形、頂上付近からは硫黄の臭いが立ち込めるリアルな噴火口が見られることなどから、惹かれる登山家も多くいます。
有名な阿寒湖があることなどから、観光設備も整えられ、麓にはオートキャンプ場や温泉駐車場などもあり、北海道の山の中では利便性も高いほうです。
登山の人気シーズンは?
阿寒岳は季節ごとにそれぞれの魅力を見せてくれます。
一般的な登山適期としては5月下旬から10月までで、とくに夏前の季節には咲き誇る高山植物を楽しむことができるでしょう。
まだ残雪の残る5月初旬では、残った雪と新緑の両方が見られることもあります。
10月を過ぎるとコースによって閉鎖されるところもできてくるので、北海道の他の山と同様、初春から秋までが阿寒岳の登山シーズンだといえます。
この山の魅力
阿寒岳登山の最大の魅力は、なんといってもむき出しの成層火山を味わえるワイルドさだと言えます。
ゴツゴツとした岩がある登山道は、火山が好きな登山家にとってはたまらない魅力です。
また有名な阿寒湖から望む壮大なフォルムも、登山のモチベーションを高めてくれます。
頂上から見られる知床半島と北海道の雄大な大地を見れば、誰もがまた挑戦したくなるはずです。
阿寒岳:登山のレベル
阿寒岳は、周辺の登山客へのサポート体制が整っていることなどから入山者も多く有名です。
しかし、やはり活発な動きを残している火山なので、十分な注意が必要なことから中級以上のレベルだと認知しておきましょう。
北海道の他の山がそうであるように、総体的に気温が低いことや基本的に日帰り登山になることなど、阿寒岳特有の性質を熟知していれば、登山ルート自体は比較的穏やかではあります。
注意する点としては噴火ですので、地元自治体の配信している情報を注意深くチェックすることも忘れずに。
阿寒岳:主な登山ルート
阿寒岳の登山コースは3つあり、どれも上級者でなくても踏破できるレベルです。
季節や登山道のコンディション、また体調などを考慮して適切なコースを選択しましょう。
雌阿寒温泉コース
阿寒岳西側麓にある雌阿寒温泉の側からスタートする、雌阿寒温泉コースはとくに登山者に選ばれます。
途中で急な勾配箇所もありますが、それほど長くはないために初心者でも登り切ることは可能です。
距離5.8km、標高差794mになります。
オンネトーコース
雌阿寒温泉コースと並行して登るのがオンネトーコースです。
麓にあるオンネトー湖側にあるオートキャンプ場で車を駐車して宿泊できることから、こちらのコースも人気の登山コースです。
アカエゾマツの広葉樹林を抜けて進むコースなので、自然を堪能したい人はこちらがおすすめ。
距離8.1km、標高差857mになります。
阿寒温泉ルート
上記2コースとは反対側から登るのが阿寒温泉ルートです。
もっとも距離が長く荒々しい火山を味わえるコースです。
距離12.3km、標高差764mになります。
冬山登山はできる?
阿寒岳は冬登山ができます。
とくに北海道の登山家には冬山が人気ですが、コースによっては通行止めになることも多いので、リアル情報のチェックは怠れません。
雪山から見る抜けるような北海道の独特の空の景色は阿寒岳冬登山の醍醐味だといえるでしょう。
ただし滑落事故は少なくないので、自分のレベルを考慮して望むことが大切です。
山小屋情報
阿寒岳には山小屋はありません。
そのかわりにオンネトー湖にある野営駐車場や、周辺の日帰り温泉などを利用しましょう。
- オンネトー国設野営駐車場(無料)
- 場所:北海道足寄郡足寄町茂足寄
- 電話:なし
- FAX:なし
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
阿寒岳登山の目的となる北海道の山の中では、阿寒岳周辺は観光施設がかなり充実しています。
温泉の泉質もよく低料金で利用できる日帰り温泉も多いので、登山とともに楽しみましょう。