石鎚山

石槌山は四国愛媛県に位置する四国山地の一つで、石鎚山脈の主峰です。別名「石鈇山 (しゃくまさん)」と呼ばれることもあります。

標高1982m、古くから山岳信仰の山として知られる霊峰であり、日本七霊山の一つです。

山頂には石鎚神社の石鎚祠が祀られています。

山域は石鎚国定公園に属し、日本百名山、日本百景にも選定されています。




石鎚山について・概要

石鎚山は、主峰の天狗岳・弥山・南尖峰など連なる峰々の総称であり、最も標高が高いピークが天狗岳になります。

この天狗岳は西日本で最も高い峰です。

石鎚山はその名の通り岩の多い山で、山頂付近には切り立つ岩壁が中心に対して弧を描くように連なります。

ほぼ垂直に近い柱状節理の絶壁は石鎚山のシンボル的な存在で、多くのロッククライマーがアタックするために訪れます。

登山の人気シーズンは?

石槌山は冬季が長く4月下旬まで雪が残ります。

そのため登山シーズンは6月の新緑の時期から夏山の9月中旬ころまでが人気です。

秋も紅葉が美しく、9月下旬頃から秋山を楽しむための登山者が訪れます。

毎年7月1日から10まではお山市が開催されるときには、多くの参拝者でにぎわいます。

この山の魅力

石鎚山は非常に展望が良く、山頂からは西条平野、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)を眼下に見下ろすことができます。

山麓南側には景勝地でも知られる渓谷、面河渓があり、登山以外の観光客も多く訪れる観光スポットです。

高山植物も豊富なうえ、山腹にはヒメコマツやシコクシラベなどの樹林が広がります。

豊かな自然の中で多様な鳥獣が繁殖し、クマタカ・ハヤブサが生息し、川には天然のヤマネが見られ、鳥獣保護区として管理されています。

自動車道、石鎚スカイラインやロープウェイも整備され、非常にアクセスに優れた環境を持ち、本格的な登山からトレッキング・ハイキングと気軽な山歩きができることも人気の理由です。

石鎚スキー場があり、冬季にはスキー客でにぎわう山でもあります。

登山のレベル

石槌山は一般登山と参拝登山の2つの性質があり、アクセスの仕方によって初心者から上級者まで登山レベルに差があります。

石鎚スカイラインやロープウェイを利用することで、トレッキングレベルの登山をすることができ、山麓から登頂すれば難所を通過する上級レベルの登山が可能です。

石槌山の本格的な登山では、岩場、岩登り、鎖場などが続き、切り立つ尾根歩きも危険が伴います。

主な登山ルート

石槌山は交通機関が山頂近くまで整備されていることから、スタート設定が多彩で登山ルートもたくさんあります。

自分の登山レベル・体力などを考慮してルート選択しましょう。

土小屋バス停~天狗岳ルート

土小屋をスタートして東稜基部を経由してニノ鎖小屋から弥山へ登頂します。

そこから尾根伝いに弥山へ縦走し、もと来た山道を戻るピストンルートです。

標高差744m、総距離9.3km所要時間4時間になります。

山頂成就駅~天狗岳ルート

山頂成就駅をスタート、石鎚神社成就社を経由して八丁鞍部から夜明け峠へ。

ニノ鎖から石鎚神社へ、そこから天狗岳へ登頂します。

もと来た山道を戻るピストンルートです。

標高差1110m、総距離9.2㎞、所要時間5時間半になります。

冬山登山はできる?

石鎚山は冬登山も可能で、かなりの人気があります。

切り立った岩壁が積雪で真っ白になった姿は、日本アルプスの高山を思わせる絶景です。

ただし、ルートによっては鎖場など冬山では危険なポイントは回避するルートプランを立てたほうが無難です。

夏場でも滑落事故があるので、積雪期は危険性が倍増するのは当然です。

稜線を縦走する際にも山道が極めて低いので細心の注意をはらいましょう。

ロープウェイなどをうまく利用することで、安全なルートプランを立てることができます。

山小屋情報

石鎚山には複数の山小屋があります。

体力が消耗する山なので、休憩拠点として利用しましょう。

  • 石鎚神社頂上山荘
  • 場所:石鎚山山頂
  • 電話:0897-55-4168
  • FAX:0897-55-7281
  • 営業期間:5月1日~11月3日(変更あり)

まとめ

岩登り・鎖場など難所の多い石槌山は、上級レベルの登山愛好家にとっては魅力が多い山です。

アクセスもしやすく参拝登山のための道路も整備されているので、安全に難所攻めを体験できる山でもることから非常に高い人気があります。