
日本百名山のNo.100である屋久島にある宮之浦岳に登ってきました。
最北端の百名山No.1の利尻山に登ったときに「今度は最南端のNo.100だ!」と思ったときから早1年。念願の宮之浦岳に行くことができました。
屋久島に行くのは3度目です。
1度目はミーハー心に「一度は縄文杉を見なきゃ」という思いから。
2度目は友人が縄文杉を見たいと言うので。
このときは天気が悪くて縄文杉には行けず、白谷雲水峡にだけ行きましたが。
そして3度目の今回は宮之浦岳へ 。初の避難小屋の宿泊です。
今回の避難小屋は、管理人がおらず、小屋のみ解放しているところでした。
そのため、テント以外を持参します。
マレーシアのキナバル山に一緒に登った相棒とふたりで1泊2日の山旅です。
この記事に書いてあること
登山データー
1日目は、白谷雲水峡から入り、縄文杉を通過、宮ノ浦歩道にある新高塚小屋に泊まりました。
2日目は、宮之浦岳、黒味岳に登り、淀川登山口に下山しました。
- 登山日付:2018年5月3日~5月4日
- トータル時間:約19時間46分
- トータル距離:32.9㎞
- 休憩時間:約2時間30分
登山日付 | 2018年5月3日 |
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天候 | 晴れのち曇り |
最低気温 | 9℃(縄文杉1330m付近) |
最高気温 | 16℃(縄文杉1330m付近) |
トータル時間 | 約7時間30分 ※休憩:約1時間 |
ルート | 宮之浦バス停(5:03)・・・白谷雲水峡バス停(5:30-6:15)・・・くぐり杉(7:20)・・・太鼓岩(8:00)・・・楠川分かれ(8:50)・・・大株歩道入口(10:00)・・・縄文杉(12:00-13:00)・・・新高塚小屋(14:20)【避難小屋泊】 |
登山日付 | 2018年5月4日 |
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天候 | 雨のち曇り時々晴れ |
最低気温 | 7℃(黒味岳山頂) |
最高気温 | 15℃(黒味岳山頂) |
トータル時間 |
10時間※休憩:1.5時間 |
ルート | 新高塚小屋(2:00)・・・宮之浦岳(5:20-5:40)・・・黒味岳(8:35)・・・淀川小屋(11:05)・・・淀川登山口(50)・・・紀元杉バス停(14:55 20)・・・合庁前(15:58,1632バス乗換え)・・・宮之浦バス停(17:04) |
服装・持ち物
- ザック::zero point(55L)
- シューズ:MAMMUT
- 服装:半袖、長袖のインナー、長ズボン
- レインウェア上下
- フリース
- ダウン
- 靴下
- 2日目の着替え
- ゲイター
- キャップ(防水)
- 帽子(ニット)
- ネックウォーマー
- 手袋(防寒用の薄手のものと防水用の厚手のもの)
- 水のいらないシャンプー
- 汗拭きシート
- 化粧品+化粧品落としシート
- 行動食(じゃがりこ2個、ドライマンゴー1袋、クッキー、黒糖、せんべい、カロリーメイト2個、カルパス)
- 飲みもの3L
- バーナー(ガス缶は現地調達)
- 1日目の朝食(おにぎり)
- 1日目の昼食(パン)
- 1日目の夕食(スープパスタ)
- 2日目の朝食(カップラーメン)
- 2日目の昼食(行動食)
- 寝袋
- マット
- 携帯トイレ
宮之浦岳どんな山?
宮之浦岳は鹿児島県の屋久島にある標高1935mの日本百名山です。
百名山は北の山から番号が振られているので、屋久島にある宮之浦岳はNo.100です。
「ひと月に35日雨が降る」という屋久島を表す言葉は有名ですね。
これは、林 芙美子が小説『浮雲』で表現している言葉です。
宮之浦岳は海岸線から見ることができないので「奥岳」と呼ばれています。
(そうなると、宮之浦岳全体を拝める機会ってめちゃめちゃ少ないのでは・・・?)
屋久島の自然は雨がつくっているそうです。
もののけ姫の舞台とも言われている白谷雲水峡は、雨露に光る苔がものすごくきれいな場所です。
雨が降る前提で行けば対策も取れますし、精神的にも大きなダメージにはなりません。
そのため今回は、景色を楽しむ、というよりは屋久島の自然を感じながら山歩きを楽し。
そして、宮之浦岳のピークを踏むということを目的にして行きました。
屋久島に行く方法と知識
鹿児島空港から屋久島に行く方法は3つあります。
※ 料金は2020年4月現在
《飛行機で行く》
【鹿児島空港】・・・飛行機(所要時間:40分、料金:15600円)・・・【屋久島空港】
《高速船で行く》
【鹿児島空港】・・・リムジンバス(所要時間:52分、料金:1300円)・・・【鹿児島本港南埠頭】・・・高速船トッピー&ロケット(所要時間:2時間、料金:9200円)・・・【宮之浦港】
※ 高速船トッピー&ロケットは経由地によって所要時間が異なります。
◯指宿経由:2時間
◯安房経由:2時間30分
◯種子島経由:3時間
※高速船トッピー&ロケットは往復割引があります。
《大人》
片道9200円、往復16600円
《少人》
片道4600円、往復8300円
【高速船トッピー&ロケットHP】
https://www.tykousoku.jp/
《フェリーで行く》
【鹿児島空港】・・・リムジンバス(所要時間:52分、料金:1300円)・・・【鹿児島本港南埠頭】・・・フェリー屋久島2(所要時間:4時間、料金:5200円)・・・【宮之浦港】
※ フェリー屋久島2は船室によって料金が異なります。
また、往路と復路によっても料金が異なります。
《大人》
二等料金:往路5200円、復路4700円、計9900円
一等料金:往路6500円、復路5500円、計12000円
《少人》
二等料金:往路2600円、復路2400円、計5000円
一等料金:往路3200円、復路2700円、計5900円
【フェリー屋久島2HP】
https://ferryyakusima2.com/
今回は、時間とお金を考えて高速船トッピー&ロケットで行きました。
今回かかった交通費はこんな感じです。
交通費だけでも結構かかります。
- 羽田空港⇔鹿児島空港:34167円
- 鹿児島空港⇔鹿児島本港南埠頭:2600円
- 鹿児島本港南埠頭⇔宮之浦港:15000円
計:51767円
※2018年5月の時の料金です
繁忙期の高速船トッピー&ロケットは予約していくほうが無難です。
今回はGWだったのでかなり混んでいました。
繁忙期以外の時にどれくらい混むかわかりませんが、いずれにしても予約はした方が安心ですね。
屋久島の宿泊場所
高速船かフェリーで行くと、宮之浦港に着きます。
そこから徒歩約15分の「民宿あらき」に泊まりました。
2日目が避難小屋泊になるので、1泊目と3泊目の予約になります。
個人で行くひとは、登山口を決めた上で宿を探すと良いです。
ツアーなら宿まで迎えに来てくれることが多いですが、個人だと登山口までレンタカーで行くかバスで行くことになります。
スタートとゴールの登山口が違うとレンタカーは使えないですし、そもそも山にいる時間が長いのに借りるのがもったいないです。
「民宿あらき」は、宮之浦港から歩いて行くことができて、スタートとゴールの登山口に発着するバス停が徒歩5分以内にあるので大変便利です。
料金は1泊5000円で計10000円でした。
重要!登山届の提出場所と協力金の支払い場所
登山届は、
【各登山口と屋久島警察署・派出所、屋久島町役場・支所、屋久島観光協会、屋久島観光センター、コンビニロッジ森のきらめき】
で提出できます。
また、宮之浦岳に登山する場合は、協力金を支払う必要があります。
《荒川登山口から入山する場合》
バスのチケットと一緒に屋久杉自然館前駐車場バス停の「屋久島山岳保全利用協議会」と観光協会などの代理販売店で支払うことができるようです。
【料金】
日帰り:片道1700円(往復2400円)
宿泊:片道2700円(往復3400円)
《その他の登山口から入山する場合》
下記HPの取扱店で支払うことができます。
【屋久島山岳部保全利用協議会HP】
http://yakushima-tozan.com/
【料金】
日帰り:1000円
宿泊:2000円
荒川登山口では当日の支払いもできるようですが、他の登山口では事前納入か下山後に各取扱店に支払うようです。
宮之浦港近くに前泊する場合、屋久島観光センターが便利です。
登山届を提出し、協力金を支払い、そして翌日と翌々日の天候を聞きましょう。
ガス缶の購入場所
ガス缶は、「ナカガワスポーツ」に売っています。
19時閉店(当時)なので注意!
ちなみに、SOTO缶はなくPRIMUSのみの取り扱いでした。
食料調達場所
民宿あらきからは徒歩7分くらいのところに「Aコープ宮之浦店」というスーパーがあります。
屋久島観光センターやナカガワスポーツスポーツと逆側に進み、橋を渡って少し歩くとあります。
20時くらいまでやっていたと思います。
1日目:白谷雲水峡登山口~太鼓岩(所要時間:125分)
5時3分のバスに乗り、5時半に白谷雲水峡の登山口に着きました。平坦だけど長い道のりでウォーミングアップ
雨は降っていませんでしたが、曇り空で、若干ひんやりしていました。
前日にスーパーで買ったおにぎりを食べ、トイレを済ませて6時15分にいざ出発。
歩き出して数分、すぐに美しい屋久島の森が現れます。
25分ほど歩くと、「さつき吊り橋」という大きめの吊り橋があるので渡ります。
ここからが白谷雲水峡です。
緑がきれいです。
何かのキャラクターにいそうな・・・
白谷雲水峡はハイキングコースになっているので整備もしっかりされています。
ただし、雨が多い屋久島では、足元がぬかるんでいる場合があるので油断は禁物。
登山口から1時間20分ほどで、最初の名所である「くぐり杉」に到着しました。
そして、くぐり杉からすぐ出てくるのが「シカの宿」という木です。
白谷雲水峡や屋久杉エリアには、ユニークな形の木が多く、おのおのに名前が付けられていて写真スポットとなっています。
くぐり杉から少し歩くと、そこが「苔むす森」というもののけ姫の舞台となったと言われている森です。
ガイドのおじちゃんご一行に会い、写真を撮ってもらいました。
ついでに、ガイドのおじちゃんからきれいに撮れる撮り方を教えてもらいました。
登山口周辺で撮った写真と全然違う!
登山口周辺ではオートで、この写真はおじちゃんから言われてマニュアルで天気を「曇り」、明るさを「-7」に調整して撮りました。
こんなにも違うものか・・・
以後、これで撮ってます。
ここで注意!
環境保全のためにきれいな苔がついている岩に乗って写真を撮らないように!
通りかかったガイドさんに怒られる可能性大です。
くぐり杉から40分くらいで、辻峠にでます。
ここから太鼓岩までは一方通行です。看板に沿って進みましょう。ここからの約25分は急登です。
そして太鼓岩に到着!
若干の曇り空です。
前回来たときは、大雨で真っ白だったので、それよりはマシですが今回も晴れた景色は拝めず・・・
天気がよければさぞかし絶景なのでしょう・・・
そしてかなりの強風で、滞在時間は3分くらいでした。
太鼓岩~縄文杉(所要時間:240分)
ひたすら歩いて世界遺産の縄文杉を目指します。太鼓岩からを下りて平坦な道をまたしばらく歩くと、「楠川分かれ」という分岐にでます。
荒川登山口から登るとここで合流します。
ここからが有名な「縄文杉トレッキング」です。
きちんと整備された登山道で、「大株歩道入口」まではほぼ平坦な道です。
時間は8時50分。
縄文杉トレッキング組はまだ来ていないのか、誰もいませんでした。
そこらじゅうが屋久杉です。ちなみに、屋久杉とは屋久島の標高500メートル以上、樹齢1000年以上のスギのことです。
もしツアーで行けば、こんな楽しみも。
今回はラッキーなことに途中でツアー組と一緒になり撮らせてもらいました。
うん、それっぽい(笑)
「楠川分かれ」から1時間ちょっとで「大株歩道入口」に到着。
「大株歩道入口」から3分の2くらいまでは、いままでと同じ平坦な道が続きます。
はじめに出てくるのはハート型で有名なウィルソン株。
とはいえ、角度によってそう見えるので、知らないとなかなか拝めないようです。
切り株に入って右のほうでしゃがむとハート型になります。
分からないときは、近くのひとやガイドさんに聞くと誰かしら知っていて、リピーターさんも多いので得意気に教えてくれるはず。
わたしもそのひとり(笑)
前で撮っていたグループが見えなくてなかなか順番が来なかったので教えてあげました。
翁杉。
大王杉。名立たる名木です。
実ははじめて縄文杉トレッキングをしたとき、いちばん印象に残ったのが縄文杉ではなく、この大王杉でした。
いままでの道のりにあった屋久杉も十分大きいのですが、大王杉は貫禄があって驚いたのを覚えています。
さて、ここから突然急登になります。
普段登山をしない縄文杉トレッキング組は、ここまでのトレッキングの疲労でこの急登を見てびっくりしていました。
登山をしているひとは、むしろ「やっと登山っぽくなってきたか!」という感じだと思います。
とはいえ、30分くらい登るとすぐ縄文杉に着いちゃうんですけどね。
「あれ?迫力が感じられない・・・」と思われたひともいるのではないでしょうか?
そう、縄文杉は間近で見ることができず、整備された木製の展望デッキからしか眺めることができません。
展望デッキは平成8年にできたようです。結構遠い距離から見るので、正直、大王杉のほうが迫力があるように見えます。
展望デッキの右側に別の階段があり、そこを登ると少し近づくことができますが、今度は他の木に隠れてあまりよく見えません。
昔むかし、「屋久島の杉の木」という小学校の国語の教材で縄文杉を知ったひとも多いのではないでしょうか。
その教科書では、子どもが縄文杉の周りを手をつないでどのくらいの周囲か調べていました。
そんなイメージで行くと、ガッカリするので要注意(笑)
縄文杉~新高塚小屋(所要時間:90分)
縄文杉を見て満足しているトレッキング組を横目に出発。なるべく早めに新高塚小屋に行くのがベター
そう、今回は、縄文杉は単なる通り道なのだ!
縄文杉から新高塚小屋までは下りが多いです。
縄文杉での休憩もそこそこ、お昼も食べず高塚小屋を通過し、なぜ私たちが足早に新高塚小屋を目指したかというと・・・
新高塚小屋は混むから!
新高塚小屋は、60人くらいが泊まれる避難小屋です。
手前の高塚小屋は20人くらい。
翌日、宮之浦岳を目指し下山するなら、この2つのうちのどちらかの小屋に泊まる必要があります。
(新高塚小屋に泊まってもコースタイムが10時間程度あるため、2泊3日で行くひとも多いです)
満員だった場合、小屋の玄関や外のベンチで寝ることもあるとネットに書いてあったので、まずは寝床を確保しなければ!という思いで足早にやってきたのでした。
小屋に着いたときにはすでに3分の2以上が埋まっていましたが、なんとか寝床を確保できてホッと一息。
御来光を宮之浦岳で見るため朝早くの出発になるので、玄関に近い寝床をゲットしました。
新高塚小屋は、寝床が2段に分かれていて7、8人で区切られています。
寝具はないので、マットと寝袋持参が必須です。
人が大勢いらっしゃったので、小屋の写真は撮れず(泣)
隣になった50代くらいのおじちゃんも、ご来光を宮之浦岳で見るとのことでした。
宮之浦岳に登るのは2回目とのことだったので、ご一緒させてもらうことに。
アルプスの夏山装備と同じくらい着るものを持っていきましたが、夜は、長袖インナー、半そでシャツ、フリース、ダウン、レインウェア、靴下2枚履きで、ちょうどよいかなというくらいです。
水場とトイレも小屋から出てすぐのところにあります。
2日目:新高塚小屋~宮之浦岳山頂(所要時間:200分)
宮之浦岳でご来光を見るべく、朝は1時40分起き。
寒いのでカップラーメンを食べ、起きて20分で出発です。尾根沿いの強風に注意、ご来光は無理せずに。
小屋では、基本的には到着した人から奥に詰めていくのがマナーですが、朝が極端に早いひとは周りのひとに断ってなるべく玄関に近い側で寝ましょう。
寝袋とマット以外のものはすべてザックにしまい、起きたら外に出てそれらを中にしまいます。山のマナーです。
ご来光組はわたしたちと隣のおじちゃんだけのよう。小屋から山頂までは3時間ちょっとかかるので無理もないですね。
ヘッドライトをつけて歩きますが、暗くてどんな道かはわかりませんでした。
尾根沿いの1本道を進んでいるのは確かで、かなりの強風でした。
暗いうえに道もわかりづらく、ロストして3人で道を探すこともしばしば。
道幅も狭いので風で煽られて滑落する危険もあり終始ひやひやしながら、途中からもう前に進むしかない!と半ばやけになって登りました。
おじちゃん2回目なんとちゃうんかい!と思いつつ、こんなに暗いのだから仕方ないですね。
3時間かけてようやく山頂にたどり着いたものの、強風で立っていられません。
岩陰に隠れてみたものの、とてもじゃないけど寒くてじっとしていられず、うろうろしながら待ちました。
日の出は5時30分前後。10分くらい待ちましたが、かなりの時間に感じました。
どうにも仕方がないのでエマージェンシーシートを体に巻き付ける始末です。
恰好悪いけど、誰もいないのだからまあいいかということで。
ようやくご来光。しかし雲に隠れて若干残念な・・・
今回は山頂でご来光を見たいという気持ちがあって山頂に向かってしまいましたが、天気が良くない予報であれば、明るくなってから出発するのがよいかと思います。
今回の反省点です。
強風と寒さがこの写真から伝わるでしょうか!?フル装備でも寒いです!
宮之浦岳山頂~黒味岳(所要時間:175分)
雲に隠れがくれで名残惜しくはありましたが、寒さでこれ以上じっとしていられずすぐに出発。時間配分に気を配って!永田岳と黒味岳は諦める勇気も必要かも。
予定では隣の永田岳にも行くつもりでした。
宮之浦岳から永田岳は往復約2時間。
「せっかくだから」というキーワードが頭をよぎります。
屋久島には滅多に来られないのに、みすみす諦めていいのか・・・
とはいえ、寒さと強風の尾根沿い歩きですでに疲れていたのと、この天気では眺望が望めないことから永田岳は諦めることに。
晴れていたら行っていたかもしれません。
ただし、これからの山行とバスの時間を考えると、諦めて正解でした。
宮之浦岳から黒味岳は、いったん100メートルほど下ります。
急な下り坂ではないのですが、冷え切った身体での1時間ほど下るには十分つらいです。
下りきったところで青空が見えました。振り返った宮之浦岳です。
さっきまであんなに真っ白だったのに、いま山頂だったらとてもよい展望が・・・
もう少しあの寒さに耐えて待っていれば・・・少し、いや結構後悔しました。
下り切ってからさらに40分、今度は比較的平坦な道を歩きます。
黒味岳に行く分岐が出てきます。黒味岳は下山ルートからは反れるので、永田岳と同じ言わば「寄り道」になります。
黒味岳は往復約1時間半。黒味岳から下山口までは約3時間半。
コースタイムもバスの時間に間に合いそうだし、天気も回復してきたので黒味岳を目指しました。
途中、頭上の岩陰から鹿が出現。かなりびっくりしましたが、そんなわたしたちに気づく様子もなく、ゆったりと構える鹿。
もしかしたら気づいているのに気にしていないのか・・・?人間に慣れているのか、それとも舐め切っているのか・・・?
しかし、本来ここは鹿のテリトリー。静かに退散しました。
山頂付近は大きな岩がゴロゴロしています。
山頂に到着!
狭い山頂には立っていると飛ばされて滑落しそうなので、しゃがんでハイハイしなければいけないほど。
結局5分ほどで退散。
しかし、展望がよく、寄り道してよかったと思いました。
黒味岳~紀元杉(所要時間:210分)
黒味岳山頂から分岐まで30分くらいかけて戻ると、大きく下る道になります。
「山と高原地図」では15分で約150メートル下ると書かれています。
あまり伝わりませんが、両手両足とさらにお尻まで使って下ります。両手両足とお尻を使って下る・・・マットを外付けしている人は注意
ここで注意は、岩の上にしゃがみながら下るのですが、マットが外付けタイプのひとは要注意です。
一緒に行った友人が外付けでしたが、マットの端がしゃがんだときに岩に擦れてボロボロになっていました。
ここからさらに、1時間半かけて250メートルほど下る景色はこんな感じの景色が続きます。
景色が変わるのは、淀川を越えてから。
水がきれいで、川のそばでバーベキューをしている家族もいました。
この川は、駐車場から50分ほどで来られるところで、ハイキングしてお昼を食べるにはもってこいの場所なんですね。
わたしたちもここで少し休憩を取ります。
2日目の行程が長いのと荷物が多いので、お昼はカロリーメイトなどの行動食をちょこちょこ食べる予定にしてきましたが、カロリーメイトやお菓子ではお腹は満たされてもエネルギーが出なくて淀川に着いたころにはへとへとでした。
しかし、ここまで来たらあと少し。
この影の橋を渡ります。
景色は一転、森の中の登山道になります。はじめの白谷雲水峡に戻ってきたみたい。
平坦で気持ちのよい樹林帯を歩くこと50分。ようやく淀川登山口に到着です。
ここにトイレがあるので行っておきましょう。
ここで行かないと、バス停にもないのでトイレに行けるのはかなり先になってしまいます。
淀川登山口からバス停がある紀元杉まではアスファルトを歩くこと20分。
バス停の名の通り、大きな杉があります。紀元杉というらしいです。
長い長い旅が終わりました。今回は結構疲れました・・・
紀元杉~バス
バス停にはなるべく早く並んでおくべし、です。バス停にはもう一組の登山客がすでに待っていました。
宮之浦方面に乗り継げるバス停「合庁前」までは約1時間かかります。
このバスは、紀元杉が始発なので混んで座れないことはないとは思いますが、バス停に並びながら休むほうが良いでしょう。
合庁前から宮之浦まではいったんバスを乗り換えます。
バスの車掌さんたちが誘導してくれますし、大勢乗り換えるので間違えることはないでしょう。
宮之浦周辺のおすすめ食堂
2度目に屋久島に来たときも、今回も気に入って行ったのが「お食事処 潮騒」です。
2度目に行ったときなんて、2日連続で行きました(笑)
お刺身も美味しいし、「屋久トロ」という非常に粘り気のあるトロロ、トビウオを使ったさつま揚げの「つきあげ」がとっても美味しいです。
宮之浦周辺に泊まった際にはぜひ。
まとめ
はるばる屋久島の山、しかも百名山のNo.100に登れた達成感は半端なかったです。
コースタイムが長いのでタイムキープの良い訓練になったし、避難小屋に泊まったのもよい経験です。
ただし、反省点もいくつかあります。
例えば、ご来光も見るために強風の稜線を暗いなか歩いたこと。
2日目のお昼を行動食で済ませてエネルギー不足になったことなど・・・
こういう反省点を生かすことで安全登山に繋がるのだと思います。
また一歩成長した山行となりました!