
皇海山は栃木県と群馬県にまたがる標高2144mの山です。現在の外見からは想像できませんが、侵食の進んだ成層火山です。
足尾山地に属し、日本百名山の一つに選定されています。
かつては修験道の聖地として勝道上人が開山したいへん栄えました。
日本で第三位の長さを誇る渡良瀬川の源流が流れる山でもあります。
この記事に書いてあること
皇海山について・概要
皇海山は山麓から見てもわかるように原始林が頂上まで覆い尽くす、手付かずの自然が残る山です。
岩稜と尾根が続き、登山愛好家の中では難しい山だと言われています。
庚申山から鋸山をつなぐ稜線には11の頂があり、非常に険しく山岳修行のハイライトでもありました。
ただし、鋸山からの展望は素晴らしく、360度の大パノラマが広がります。
延々と原生林が続き、山道は静寂で落ち着いた雰囲気があります。
登山の人気シーズンは?
皇海山は5月いっぱいまで残雪が残り、6月から10月中旬まで人気のシーズンです。
皇海山の登山口までのアクセスが悪いこともあり、それほど登山客の多い山ではありませんが、秋の紅葉シーズンにはかなりの登山客に賑わいます。
中腹まではトレッキングコースもあるので、家族客などが多く訪れています。
この山の魅力
皇海山は稜線からの眺めの良さが最大の魅力です。
高山植物はありませんが、原生林が延々と続き自然の息吹を十分に堪能することができます。
古来から信仰の対象にもなった奇岩・怪石もあり、神秘的な雰囲気を持つこともリピーター登山が多い理由です。
また庚申山にある老神温泉は温泉街として開け、旅館ホテルが立ち並ぶ観光スポットでもあります。
山麓にあるオートキャンプ場があり、登山プランに組み込むこともできます。
登山のレベル
皇海山の登山レベルは中級から上級です。
また、山道は整備されていますが、難所が点在しているので、登山経験を積むのに最適な山でもあります。
険しい岩場と、沢、ノコギリ状になった稜線は、初心者では踏破することが難しく、登山技術を磨く良いトレーニングになるはずです。
荒れ地も多いことから非常に体力と脚力を必要する山です。
主な登山ルート
皇海山は登山口がそれほど多くはなく、古来から親しまれている古道が現在までも使われています。
登山口までの道路は途中で舗装が途切れるなど、アクセスに難があることも覚えておくようにしましょう。
皇海橋~皇海山頂ルート
皇海橋をスタートし、皇海山頂を目指し、同ルートを往復します。
鋸山と皇海山をつなぐ稜線の中間地点に入るので、難所の半分をカットする形になります。
二俣渡渉点、不動沢のコルなど障害を越えるところもあるので、安全に留意しましょう。
標高差792m、総距離6㎞所要時間4時間半になります。
銀山平~皇海山~鋸山ルート
銀山平をスタートし、皇海山を通過、鋸山から六林峠を抜けて庚申山荘、一ノ鳥居を抜けて戻るルートです。
古来修験道でよく使われた古道でもあり、皇海山の魅力を余すところなく味わうことができます。
標高差2545m、総距離26.5㎞所要時間12時間半になります。
冬山登山はできる?
皇海山は冬に訪れる登山客も多くいます。
頂上の稜線から見られる雪を帯びた女峰山、男体山の展望も絶景です。
ただし、岩場やロープを使って登るようなポイントも多いのでアイゼン・ピッケルなどは必須です。
雪量の少ない時期であっても決して油断せず、夏場よりも安全なルートをとるようにしましょう。
山小屋情報
皇海山はその険しい登山レベルに対して山小屋は1つしかありません。
必ず場所を確認して登ることをおすすめします。
- 庚申山荘
- 場所:庚申山山頂南東750m地点
- 電話:0288-93-3116
- FAX:なし
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
皇海山は知る人ぞ知る登山レベルの高い山であり、その反面踏破したときの喜びも大きなものです。
険しい登山ルートでは事故や怪我の危険性も高いので、十分な装備を用意してのぞむことが大切です。