
大峰山は奈良県にある山です。大峰山という呼び名は、広義には「大峰山脈全体」を指す場合と、その中の最高峰である山上ヶ岳を指す場合とがあります。
最高峰、八経ヶ岳の標高が1915mになります。
古くから山岳信仰の本山として栄え、熊野から吉野山までをつなぐ熊野古道全体を「大峯」と呼ぶこともあります。
この周辺一帯は吉野熊野国立公園に属し、2004年には世界遺産に登録されています。
現在までも修験道参拝は続き、多くの修験者が列をなして歩く姿を見かけます。
日本百名山の一つ。
この記事に書いてあること
大峰山について・概要
大峰山脈には最高峰の八経ヶ岳・釈迦ヶ岳・大日岳・地蔵岳などのピークがあり、現在あでも女人禁制の山として知られています。
役行者による修験道発祥の地としてはあまりにも有名で、現在でも山のいたるところに石仏・鉄仏・地蔵・祠などが点在し、一般登山でも目にすることができます。
「大峯奥駈道」は修験者が通った山道であり、熊野から大峰山脈の稜線を越え、吉野山にまで通じています。
登山の人気シーズンは?
大峰山は1年を通じて登山者や参拝登山者がいますが、近隣する桜の名所、吉野山の開花時期の春山に最盛期が訪れます。
また新緑や桜以外の植物の開花時期である6月から8月下旬までの時期には、修験道の行者参りと重なり祭祀もあるので、自然の山だと思えないほどの人で混雑することになります。
秋の紅葉も期間は短いものの、大勢の人で山あ埋め尽くされる状態になります。
登山そのものを楽しみたい場合には「扉開け」「薪能」「行者まつり」といった祭祀を避けて登るとよいでしょう。
この山の魅力
大峰山の魅力は、現在までも衰えずに続けられている霊山としての佇まいを体験できるところです。
歴史を感じさせてくれる遺跡・痕跡が延々と続く中を歩く登山は、他の山では経験できないものです。
また国立公園・世界遺産に選定されているだけあり、豊かな自然が手付かずで残っているところもこの山の魅力です。
咲き誇るオオヤマレンゲやモクレン・ヤマザクラ・シャクナゲなど、まるで万葉の時代を感じさせるような環境は、多くの登山者を惹きつける要素です。
登山をしていると山伏の格好をした修験者と出会うことも多く、タイムスリップしたような感覚に陥ります。
霊山と呼ばれる山は全国に多数ありますが、その佇まいをリアルに感じられるのは、大峰山が群を抜いて高いといえるでしょう。
登山のレベル
大峰山の登山レベルは中級から上級です。
大峰山の山道は、古い時代に整備されているものの、アップダウンが激しく急な階段などは体力・脚力ともに必要になります。
一般的な参拝登山が行われる山岳では、頂上付近まで公共機関でアクセスができることが多いのですが、大峰山では難所を克服するための修行の山であることから、安易に登れない山でもあります。
山道の多くは林道になりますが、岩場のトラバースや細いキレットもあり危険性はかなり高いといえます。
主な登山ルート
大峰山には複数の登山口があり、ルートバリーションも豊富です。
行者還トンネル西口~八経ヶ岳ルート
行者還トンネル西口をスタートし、奥駈出合を通り、聖宝ノ宿跡から八経ヶ岳へ登頂。
もと来たルートで戻るピストンルートです。
標高差1100m、総距離8.6㎞、所要時間6時間半になります。
洞川温泉~稲村ヶ岳ルート
洞川温泉をスタートし、法力峠から山上辻を経由、稲村ヶ岳へ登頂します。
もと来たルートを戻り洞川温泉でゴールします。
標高差864m、総距離16.2㎞、所要時間6時間半になります。
冬山登山はできる?
大峰山は冬登山も可能です。
積雪量はそれほど多くなく比較的山道も整備されているので、防寒着や基本的な冬装備(アイゼン・ピッケル・スノーシューズなど)があれば安全に冬登山を楽しむことができるでしょう。
ときおり現れる舗装道路の凍結への注意も怠らないようにしましょう。
山小屋情報
大峰山にはいくつかの山小屋・避難小屋が設置されています。
- 弥山小屋
- 場所:弥山山頂
- 電話:0747-63-0925
- FAX:なし
- 営業期間:GW~11月中旬(積雪状況により変動あり)
まとめ
日本屈指の霊山である大峰山は、一般的な登山とはかなり違った雰囲気を体験できる山です。
豊かな自然環境の中、古来から修験道者が行き来してきた古道を楽しめるのも大峰山登山の魅力です。