
水晶岳は富山県に位置する山です。北アルプスの中の一つで、中部山岳国立公園に山域全体が含まれます。
標高は2986m、山頂には北峰と南峰の2つのピークがあり南峰が最高峰になります。
飛騨山脈を代表する山の一つであり、日本百名山に選定されています。
山頂付近で水晶が採掘されることから、この山名がつけられています。
この記事に書いてあること
水晶岳について・概要
水晶岳の山頂は鋭利に尖った岩で、東斜面にはくぼんだ地形(カール)が複数見られます。
山頂は両側が削られ切り立つ形状になり、稜線がジグザグに続きます。
山腹には岩が積み上げられた堆積も点在し、独特の景観が演出されています。
黒部川の源流域として、重要な水源域としての役割があり、高山植物の宝庫としても知られています。
登山の人気シーズンは?
水晶岳は冬が長く夏が短いために、安全に登山ができる期間が短い山です。
残雪期が終わって梅雨も開けた頃の7月初旬から8月中旬頃までが適切期です。
1年間の半分以上が雪に覆われていると考えてよいでしょう。
岩場が多く山道が不安定なために、天候の悪い時期には登山客も減少します。
この山の魅力
水晶岳の魅力は山頂から見られる大絶景です。
北アルプスのほとんどすべての山頂を見渡せるほどの視界の広さがあります。
また水晶岳は長く続く稜線上を歩くことができます。
周囲に視界を遮るものがない状態で歩く3000m級の山は最高です。
また水晶岳には日本最後の秘境とも言われる雲ノ平があり、手付かずの自然を楽しむことができます。
登山のレベル
水晶岳の登山レベルは、ルートによって異なり、中級~上級といったところ。
山頂に近づくにつれてキツくなる斜度が登山者を苦しめるのです。
また、頂上付近は岩場も多く登山には危険がともないます。
水晶岳には直接登頂できるルートは存在せず、尾根伝いに進むことが必要なことも登山レベルが高くなり理由です。
主な登山ルート
水晶岳は傾斜が強かったり、ルート距離が長いなどとにかく体力を使う山です。
リタイヤせずに安全に踏破するには、日帰りよりも宿泊登山をおすすめします。
代表的な登山ルートを挙げておきます。
高瀬ダム~縦走3泊4日ルート
高瀬ダムをスタート、三角点から烏帽子岳へ登頂、山頂分岐を通り烏帽子小屋で1泊目。
2日目は三ツ岳北峰へ登頂しそ竹村新道分岐から水晶岳へ向かいます。
鷲羽岳まで縦走し三俣山荘で宿泊。
3日目は三俣蓮華岳へ進み、双六岳→硫黄乗越→千丈沢乗越→鷲羽岳→槍ヶ岳へと縦走し、槍ヶ岳山荘に宿泊。
4日目はグリーンバンド→ババ平へと進み、一ノ俣から横尾→明神を経由して上高地バスターミナルでゴールします。
標高差5069(登り)総距離53㎞、所要時間34時間になります。
新穂高温泉~縦走3泊4日ルート
新穂温泉をスタートし、シシウドが原から弓折乗越へ、双六小屋で1泊目。
2日目は双六岳へ登頂、三俣蓮華岳・鷲羽岳へ縦走し水晶小屋で宿泊。
3日目は水晶岳から赤牛岳へ縦走して奥黒部ヒュッテで宿泊4日目に平ノ渡場へ向かい、ロッジくろよん、黒部湖駅へ下って黒部ダムでゴールします。
標高差4878m総距離48.7㎞所要時間26時間半になります。
冬山登山はできる?
水晶岳の冬は、完全に雪に覆われ銀世界へと変貌します。
登山は可能ですが、かなり難航するはずですので、登山経験の少ない方はおすすめできません。
パーティを組み万全の装備でアタックしましょう。
水晶岳の冬の天気は荒れやすく、ホワイトアウトしてしまうこともめずらしくありません。
危険な場合には断念することは当然ですが、山の深い地点で立ち往生しないよう早めの決断をしなくてはなりません。
山小屋情報
水晶岳は登山ルートが長くなるため、宿泊登山が基本になります。
山小屋・山荘は充実しており、稜線近くにもかなりの数があります。
- 水晶小屋
- 場所:裏銀座縦走路推奨分岐
- 電話:0263-83-5725
- FAX:0263-83-8339
- 営業期間:7月28日~9月25日まで
- 雲ノ平山荘
- 場所:雲ノ平ギリシャ庭園
- 電話:046-876-6001
- FAX:046-876-6323
- 営業期間:7月7日~10月10日まで
まとめ
飛騨山脈の名峰水晶岳は、北アルプスの山岳らしく難易度の高い山ですが、踏破したときの喜びもその分大きくなります。
日本の屋根を歩くような感覚は、登山愛好者にはたまらない魅力があります。