
利尻岳は日本最北端に位置する百名山の一つ。
新日本百名山や母の百名山などにも選定される人気の高い山です。
利尻島に位置するため交通のアクセスは良いとは言えませんが、それでも多くの登山愛好家に親しまれ、シーズンには多くの人で賑わいます。
利尻岳のある利尻島は観光名所としても有名です。
この記事に書いてあること
利尻岳について・概要
利尻岳は「利尻山」「利尻富士」「利尻火山」などの名称で呼ばれます。
利尻礼文サロベツ国立公園に指定され、古くから山岳・自然信仰の対象としても地元で親しまれてきた名山。
利尻岳は火山噴出物によって地質が構成されているため脆く、侵食が進んでいますが、比較的難易度の低い登山コースがあることで、多くの登山家やロッククライマーが訪れる山でもあります。
2千年前の噴火で現在の形状が完成されたといわれ、現在では噴火の危険性は報じられていません。
面積182.11平方kmの面積の大半を山が占めるという特異な形状で、一年の多くの時期が雪で覆われます。
利尻岳の魅力
その美しさは登山客ならずとも納得するはず。
手付かずの自然が豊富な利尻島にあることや、環境保護が手厚く施されているため、登山・観光では自然を堪能することができます。
8合目・頂上からは利尻島全域・礼文島・樺太・モネロン島などを一望することができ、その絶景こそが利尻岳登山最大の魅力だといえるでしょう。
また、9合目付近からは高山植物地帯となり、利尻島特有のリシリオウギやリシリヒナゲシ、ボタンキンバイなど希少高山植物が分布します。
5月から9月前半くらいまでは様々な自然植物が咲き乱れます。
そして利尻岳登山の名物とも言われる「甘露泉水」は、鴛泊(おしどまり)登山コースのスタート地点すぐにあり、実際に味わうことができます。
甘露泉水は地元住民の生活飲料水として利用されており、環境省によって「名水百選」にも指定されています。
登山のレベル
利尻岳は累積標高差は1550m、最大走行距離は15kmとなります。
登山道の一部には荒れて難易度の高い場所もありますが、比較的山道は整備されており、トイレブースなども要所に備えられているのである程度の登山経験があり、体力に不安のない人ならば踏破することが可能です。
登山ルートによってはかなり険しいところもありますが、最も穏やかな鴛泊コースならば中級者~上級者向けといったところです。
ただし日本最北端で離島ということもあり、アクセスの難しさがあります。
旅行計画には緻密さが必要となるでしょう。
主な登山ルート
利尻岳の登山ルートは3コースあります。
大きく分けて北峰と南峰になり、一般登山者では北峰コースしか選択肢はないと考えてよいでしょう。
鴛泊コース(北峰)
利尻岳北峰の最も難易度の低いコースで、3合目まで車を乗り入れることができます(駐車場有り)。
甘露泉も鴛泊3合目にあるので、利尻岳初登山の人の多くがこのコースを選択します。
沓形コース(南峰)
利尻岳南峰の沓形(くつがた)コースはかなり難易度が高く荒れた条件となります。
沓形コースには西壁・東壁・南陵があり、ロッククライミングを目的とした愛好家に親しまれるコースです。
鬼脇コース(南峰)
利尻岳南峰の鬼脇コースは5合目まで車を乗入れることができるものの、軟性の地盤のために崩落した場所が多く、登山向きではありません。
登山禁止区域が増えているので、現実的に選択肢にはならないコースです。
冬登山はできる?
利尻岳は日本最北端の名山ということもあり、冬場は極寒地帯であり危険な環境となります。
安全かつ自然を楽しみながら登山ができるのは6月から9月初旬までだといえます。
9月下旬には初冠雪があり、シーズンからは想像できない過酷な姿に変貌します。
専門的な装備・知識・経験のない登山愛好家では太刀打ちできるものではありません。
利尻岳登山は基本的に6~8月までが適切だと考えてよいでしょう。
山小屋情報
利尻岳は人気の登山スポットですから山小屋が設置され、通年利用することが可能です。
常駐の管理者はおらず無人避難小屋となります。
- 利尻山避難小屋
- 場所:利尻山鴛泊口八合目上
- 電話:0163-82-1114
- FAX:0163-82-1373
- 営業期間:通年(無人)
まとめ
利尻山は山体が火山物質で柔らかく脆い地質をしています。
登山客の増加などによりかなり荒廃が進んでいるため、環境省や地元協議会によって整備補修が行われています。
登山をする際には環境に対する知識を持って自然保護を意識することが大切です。